暁～小説投稿ｻｲﾄ～:【WEB版】マッサージ師、魔界へ　- 滅びゆく魔族へほんわかモミモミ

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第四章　魔族の秘密
第３８話　施術に一番大事なもの
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けど、それが一番ではないんだ。
　ぼくだってまだ若いから、歴何十年とかの人に比べると技術は落ちると思う。だから、技術的にちょっと手に余る患者さんが来てしまうこともある。
　でもさ。『絶対にこの人を楽にしてあげたい』って強く思って施術すると、不思議となんとかなったりするんだよね」

「そういうものなのか」
「うん。たぶん、その気持ちって手を通して相手に伝わるんだと思う。本当に手から何か不思議な力が出ているのかもしれないって思うこともある」
「……」

「一回やって結果が出なくてやめたということだけどさ。見ていると、きみが勇者を心配する気持ちはすごく強いよね。なら効果がないなんてありえないよ。
　まだ技術のほうがないから、その分の効果が小さくて見逃していただけで。本当は結果が出ていたんじゃないかな。だから……続けるべきだと思う」

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