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【WEB版】マッサージ師、魔界へ - 滅びゆく魔族へほんわかモミモミ -
第四章 魔族の秘密
第35話 軟禁、そして……
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火あぶりにするべきだと、おれは思う」
「魔女って。ぼくは男だけど」
「男でも女でも関係ない。異端認定されれば魔女として火あぶりだ」
「……」

 今まで魔国で働いていたわけだから、殺されるというのは自然と言えば自然である。
 一応それは理解しているつもりだ。

 だが、やはりまだ死にたくない気持ちもある。
 日本で大失敗した治療院の開業だが、この世界では魔国でうまくいっていた。
 そのため、患者がたくさんいる。弟子の指導だってまだ道半ばだ。
 できれば生きて向こうに帰りたい。

 ただ、延命のために魔族に不利になるようなことをしゃべるのもいやだ。
 死んでもいやだ。
 我ながら矛盾だが、実際そうなので仕方がない。

 だいたい、全部しゃべって人間に協力したところで、それはそれで「ハイ用済み」と殺される可能性もある気がしている。
 勇者は反対してくれるだろうが、一人だけではさすがに庇いきれないだろうから。

 そうなると。
 やはりぼくが採るべき方針としては――
 のらりくらりとできるだけ時間を稼ぎ、隙を見つけて脱走。
 それしかないと思う。
 それで失敗してまた捕まったらもう仕方ないので、諦めて刑死することにしよう。

 コンコン――。

 扉から、ノックの音が聞こえた。

「どうぞ」

 ぼくよりも先にマッチョ男が答え、扉を開けた。
 あ……。

「マコト」

 勇者だった。
 会うのはぼくがこの部屋に入った日以来となる。

 やはり全身鎧の姿。
 いつもと違うのは、腰に小さな袋がぶら下がっていること。
 そして両腕で、紐でまとめられた黒い鎧を抱えていること。
 ――ぼくの使っていたヨロイだ。

「勇者様、体調は大丈夫なのですか?」
「うん、心配しないで。ありがとう」

 いきなり体調について聞くのか。変だな。何かあるのだろうか?
 ぼくは少し訝しく思った。

「マコト、これ。牢から持ってきておいたから」
「ありがとう。そのヨロイ、デザインは恥ずかしいけど、貰い物なのでなくしたくないんだ。助かるよ」

 ルーカス設計の特製ヨロイを受け取った。
 こうやってあっさり渡してくれるということは……。
 やはりヨロイに魔力が込められていることにはまだ気づかれていない――そういうことでよさそうだ。
 脱走するチャンスがあれば、そのときには大きな助けになるだろう。

「あと、これも」

 彼女は腰に下げていた袋から本を取り出した。
 あ、牢でくれた四冊の本だ……。
 まだ一冊も読み終わっていなかったのでありがたい。

「それも持ってきてくれたんだ。うれしいな」
「机の上に置いておくけど、いい?」
「うん。ありがとう」

 ぼくがヨロ
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