153部分:第二十話 力と正義その一
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第二十話 力と正義その一
力と正義
バド及びビルフォードとの出会いを終えたシュラ達はさらに先に進む。既に聖衣を着ており何時でも闘えるようにしている。そのうえで先に進んでいた。
「高まっていますね」
「そうだな」
シュラは周りを警戒しているアステリオンの言葉に応えていた。
「一歩ごとにな」
「はい、小宇宙が高まっています」
「この刺々しく戦意に満ちた小宇宙」
トレミーもまたアステリオンと同じく周囲を警戒する目で見回していた。そのうえでの言葉だ。
「間違いありません」
「狂闘士だ」
彼は言った。
「いるな。もうすぐだ」
「それではいよいよですね」
「闘いですね」
「兵達は任せた」
シュラは聖闘士達の先頭を進みながら後ろの彼等に対して告げた。
「狂闘士達は俺が相手をする」
「シュラ様がですか」
「そしてサガがだ」
シュラはもう一人の聖闘士の名前も出した。
「我等二人で相手をしよう」
「黄金聖闘士が二人か」
「それはやはり」
「この地上で相手をできる者はいない」
シュラはこうまで言うがこれは決して慢心や驕りではなかった。
「我等にな」
「そうですね。ですが言い換えれば」
「そうだな」
青銅の者達は彼の言葉を聞きながらまた言うのだった。荒野には今は彼等以外には誰も見えない。しかしえも言われぬ刺々しい気が辺りに満ち続けているのだ。
「相手もそれだけ手強い」
「狂闘士。やはりそれだけのものがあるか」
「わかっているならば余計にだ」
シュラはまた聖闘士達に対して告げてきた。
「手出しはするな。いいな」
「我々としては不本意ではあります」
「それは」
「わかっている」
シュラも聖闘士、しかもその最上位にある黄金聖闘士である。ならば彼等の今の心がわからない筈がなかった。だがそれでもなのだった。
「しかしだ。御前達では勝てはしない」
「くっ・・・・・・」
「わかりました」
「そうだ。だからこそだ」
「ええ。それでです」
サミュエルが今度言った聖闘士だった。
「シュラ様、この気配は」
「そうですね」
「これは」
他の青銅の者達も感じ取っていた。そうして今一斉に身構えるのだった。
身構えた彼等の周りに姿を現わしたのは無数の者達だった。一体何人いるかわからない。それぞれ赤い鎧に身を包みその手にはあの三叉の槍を持っていた。
「ふん、やはり気付いたか」
「聖闘士達も愚かではないか」
「雑兵程度が我等をたばかれると思っているのか」
「それだけ小宇宙を発していればな」
「わかるというのだな」
「そういうことか」
インプ達だった。彼等は聖闘士達を完全に取り囲んでいた。一体何人いるのか、数えることは不可能な程大勢集
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