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【WEB版】マッサージ師、魔界へ - 滅びゆく魔族へほんわかモミモミ -
第三章 領土回復運動
第31話 再会
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窓の外を見る。
薄暮で赤黒い景色の中、魔族の兵士が櫓に火魔法を浴びせていた。
人間の軍は、それを阻むべく魔族の兵士たちに襲い掛かる。そして同時に、数の力で櫓の炎上した箇所を消火していく。
魔王軍は主力部隊の多くが出て行っているが、それでも数が違いすぎる。
囲まれないよう、ルーカスは無理に突っ込まない作戦をとっているようだ。
上から見ると、良くわかる。
魔王軍の前衛部隊は決して無理に長く戦うことはしていない。しばらく戦うと左回りで最後尾に後退し、代わりに次の部隊が正面に出てくる。
おそらく、なるべくフレッシュな兵士が敵に当たり続けるように配慮しているためだ。
人間側は数がとにかく多いため、全体での細かいフットワークは難しいだろう。そこを突いている立ち回りなのかもしれない。
一見、うまくやっているように思えるが……。
「マコトー、心配なの?」
施術をしていたカルラが話しかけてきた。
塔の臨時施術所には、現在ぼくと弟子たちしかいない。
だいぶ暗くなってきたので、灯りをつける。
「そうですね。心配です」
「わなとか?」
「はい。元々こちらを外におびき出すための投石であったならば、罠があってもおかしくありません」
「でも今のところだいじょうぶみたいだよ?」
「確かに、そのようですが……」
今のところ、人間側に何か奇策がある気配はない。
主力が外に出た隙をついて人間の別働隊が門に攻めてくる、ということもない。
一応、そうなったらすぐに知らせられるよう、監視は十分におこなっているそうだ。
門にも、外の部隊が到着するまでは持ちこたえられるように、最低限の部隊を残してあると聞いている。
このまま何も……なければいいが。
――うあっ
――うっ
――ぐわっ
「!?」
「マコト。今、声が」
なんだ?
悲鳴……塔の外か……?
塔の外――城壁の上には、警戒と投石迎撃のため、攻撃魔法隊が一部残っていた。
誰かやられたのだろうか?
しかし、投石が着弾する音は聞こえていない。
人間の軍が城門を破ったという知らせはない。城壁が壊されたという知らせもない。
そもそも、人間の軍が来たなら目立つので大きく騒がれているはずだ。
どういうことだ?
まさか……。
嫌な予感がする。城壁の上を確認したほうがよさそうだ。
ぼくは用意してもらった剣を手に取った。
「カルラ様」
「うん」
「ちょっと外を見てきま――」
体が一瞬で凍った。
「ん? マコトどうしたの?」
「……」
「……あ……にんげん……?」
白い鎧姿の人物が、城壁につながっている入口に姿を現していた。
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