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【WEB版】マッサージ師、魔界へ - 滅びゆく魔族へほんわかモミモミ -
第三章 領土回復運動
第31話 再会
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 紋章の入った、全身を包む白い鎧。
 そして立派な装飾が施された剣。

 勇者……。

 どうやってここまで……。
 いや、それより。まずは師匠として弟子の安全を――

「カルラ様、ぼくが時間を稼ぎます。弟子たちを全員連れてすぐに避難してください」
「え」

 ぼくは勇者のほうを向いたままカルラに逃げるよう指示した。
 勇者はゆっくりと中に入り、そこで一度立ち止まっている。

「マコトは……?」
「ぼくはあとから行きます」
「え、でも」
「早く!」
「……わかった」

 カルラは弟子たちに合図する。
 そして全員バタバタと、塔の一階まで出られる階段を降りて行った。

 ぼくだけが残る。
 見たところ、勇者は一人……いや、もう一人後ろから入ってきた。二人だ。
 塔の近くにいた魔族は全員なぎ倒されたのだろう。

 この状況……まずすぎる。
 確実に、戦うしかない。
 しかし、ぼくが秒殺され、すぐ追いかけられて弟子も全員殺されれば――すべてが終わる。
 時間を稼がなければ……。
 まず勝てる可能性はない。だが、できるだけ相手に時間を使わせなければ。

 こちらが剣を構えると、勇者もゆっくりと剣を構えた。

「やっと……」

 かすかに勇者がそう言ったように聞こえた。
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