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【WEB版】マッサージ師、魔界へ - 滅びゆく魔族へほんわかモミモミ -
第二章 魔族YOEEEEE
第25話 強化兵、量産計画
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「……おはようございます」
「フン、やっと起きたか、マコト」
「マコトおはよー」
布団から起き上がると、横のちゃぶ台には例によって魔王とカルラがいる。
が、今日はもう一人いた。
「あれ? 今日は三人ですか」
なぜかルーカスも座っていた。四畳半なので一層狭い。
「おはよう。ふふふ、マコトよ。朝の散歩のついでに魔王城のマネージャーに意見書を出してきたぞ」
「え? 意見書? どんな?」
「マッサージの施術が軍におよぼす効果と、今後についての提言だ。
すでに気力体力の向上と魔力回復速度の向上は証明されていたが、それが軍の戦力向上にも繋がるということが、今回の第九師団の奮闘で明らかになった。
今後は国を挙げてお前の治療院経営と弟子育成をバックアップし、王都にいる全師団を通わせる。そして強化兵を量産し、次戦で人間に一矢報いようという内容だ」
「そうなんだ? でもここに魔王様いるし、直接渡せばよかったんじゃないの」
「ふふふ、甘いなマコト。物事を進める際には踏むべき手続きというものがある。
軍や国政に関してこれだけ大きな提案ともなると、司令長官や宰相を通さず直接お渡ししては魔王様も迷惑なのだ」
なるほど。このあたりは組織としてしっかりしているわけだ。
「え? わたしは別にここで渡してくれてもよかったが?」
あれま。
「今聞いた内容だと、最初に私が読んでオーケーしてから宰相や司令長官に回したほうがいいんじゃないか?
お前ディートリヒに嫌われてそうだし、最悪却下されて私の手元まで来ないぞ」
ルーカスは書類を回収するため、慌てて魔王城へ戻っていった。
計画が正式に認められれば、治療院としてもそれに対応させる体制を整えなければならない。これからますます忙しくなりそうである。
もちろん、こちらとしては望むところだ。
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