152部分:第十九話 剣と剣その四
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第十九話 剣と剣その四
「では。御前達に任せよう」
「有り難うございます」
「有り難き幸せ」
「話はこれで終わりだ」
ジークは己の述べたいことを全て述べたうえでこう言った。
「後は。皆休むといい」
「休息ですか」
「戦いまで時間がある」
彼は言う。
「それまでゆっくりと休み英気を養うことだ」
「それでは。その様に」
「御言葉に甘えまして」
「インプ達にも告げよ」
兵士達のことも忘れてはいなかった。
「暫くしたら聖闘士達が来る」
「はい」
「その時まで休むようにとな。いいな」
「はっ、それでは」
彼の周りにいる狂闘士のうちの一人が応えた。彼もまたその戦衣は禍々しいものだった。
「その様に命じておきます」
「では今から」
「休むことだ。俺も休むとしよう」
こう告げて自ら踵を返し場を後にした。狂闘士達は一礼して場を後にするジークを見送った。そのうえで彼等も場を後にするのだった。
一人になったジークは一人剣を振るっていた。場はグランドキャニオンの荒野の中だった。荒涼として周りには岩山がビルの様に連なり崖が散見される。その中で一人剣を振るっていた。
その彼のところに一つの影が現われた。それは。
「エリス様」
「また剣を振るっているのだな」
エリスの姿は透き通り何処か虚ろだった。その彼女の姿に対してジークは片膝をつきそのうえで彼女に対して言うのだった。
「いつもと同じように」
「剣を振るっていると心が落ち着きます」
彼は言うのだった。
「それで。つい」
「剣を振るうのはいいことだ」
エリスは彼のその言葉を受けてまた言ってきた。
「それはな」
「左様ですか」
「そしてその剣でだ」
「はい。カプリコーンを倒しましょう」
今このことをエリスに対して誓うのだった。
「是非。楽しみにお待ち下さい」
「わかった。してジークよ」
エリスはまた彼の言葉を受けたうえで言ってきた。
「このグランドキャニオンにおいてだが」
「はい」
「わかっているな」
己の前に片膝で跪く彼に対してまた言ってきたのだった。
「封印を解くのだ」
「わかっております」
「戦いこそアーレス様の最も好まれるもの」
戦いの神であるからこそだったがそれは明らかに同じ戦いの神であるアテナのそれとは違っていた。それがここでもわかった。
「だからだ。ここはだ」
「はい。戦いにより小宇宙を巻き起こし」
「アーレス様に届けるのだ」
こうジークに告げる。
「今も冥界の奥深くに封じられてしまっているアーレス様にな」
「ではカプリコーンは」
「倒すに越したことはない」
このことは言うまでもないといったようであった。
「だが。それでもだ」
「それでも。つまりは」
「カナンとキャン
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