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【WEB版】マッサージ師、魔界へ - 滅びゆく魔族へほんわかモミモミ -
第二章 魔族YOEEEEE
第24話 一緒に入浴
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ら見れば、こんなところで入浴してるきみのほうが不思議だよ。そこのボディガードさんも包帯巻いてるし。何かあったんじゃないの?」
「う、うん。ちょっといろいろあってケガしてね。でも、歩けるし。大丈夫だよ。他にもケガしてる仲間がいるけど、違うところで休んでる」
そう言うと、彼女は「そっちのことを教えて」と催促してきた。
なんかずるいなあ、こっちのことばっかり聞いて。
「んー。じゃあ、正直に話すからね。常識では考えられない話かもしれないけど、信じる信じないは自由」
「……?」
「ぼくはこの世界の人間じゃない。別の世界から魔国に飛ばされた。それで魔族の偉い人の奴隷になって、マッサージ治療院をやらせてもらってる。以上!」
「え、嘘、じゃなくて……?」
「いま言ったとおり、信じる信じないは自由。お任せだよ」
「……」
「まあ、嘘は言ってないけどね」
「そう……」
急いで頭を整理しているのか、うつむいたまま動かない彼女。
その彼女の頭上に、一匹の青い蝶がやってきて、舞う。そしてどこかに飛んで行った。
ここは昆虫も多い。大小さまざまな生き物のオアシスになっているようだ。
「別の世界から、来て……魔族の奴隷にされてしまったんだ?」
「そうだよ。でも前の世界でなかなかやらせてもらえなかった仕事をやらせてもらってる。
なんか一気にいろいろ変化してさ。生まれ変わったような気さえする」
「仕事って、その、まっさーじ、というやつ?」
「うん」
「どんなものなの?」
「うーん、ちょっと説明が難しいんだよね。今ここでやって見せることはできるけど」
「見せて」
「触らないとできないので、それが嫌じゃなければいいよ。一応、後ろを向いてもらったままでできる」
「わたしは大丈夫。よろしく」
彼女は後ろを向く。
ぼくは近づき、すぐ後ろに立った。
「じゃあ、やるね」
両肩に手をかける。
初対面なので、安心させるために手をなるべくピッタリ付けるようにした。
こういうときは恐る恐る触るのが一番よくない。
施術をはじめると、彼女から少し声が漏れた。
魔族のように絶叫まではしないようだ。ぼくのいた世界の人間の反応に近い。
肩だけでなく、背中も施術する。
「いつもプレッシャーがかかる環境にいるのかな」
「……なんで触っただけで?」
「背中の、背骨の脇が張ってるんだ。交感神経が優位になっている状態が続いている人に多いんだよ」
「こうかんしんけい?」
「うん。自律神経ってのがあって。交感神経と副交感神経の二つから成るんだ。
簡単に言うと、交感神経は活動時に優位になって、心肺を活発にさせたり体を緊張させたりする。副交感神経のほうは休息時に優位になる神経で、消
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