暁 〜小説投稿サイト〜
【WEB版】マッサージ師、魔界へ - 滅びゆく魔族へほんわかモミモミ -
第二章 魔族YOEEEEE
第21話 対決 参謀ルーカスVS勇者
[2/3]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
。顔が全部露出しているわけではないので、わかりづらいが。
女性、なのか?
見ると、ひときわ立派な剣を持っている。
鎧や盾、そして兜にも紋章が付いており、ただならぬ雰囲気。
勇者とやらだったり……しないことを切に願う。
「ほう、勇者か。まあ、私は魔王軍の参謀なので幹部だな」
あっさり願いは退けられた。
やはり勇者だ。
全身血の気が引くのを感じた。
ルーカスが手振りで、ぼくに下がるよう合図する。
そして彼は少し前に出た。ゆっくりと。
彼が少し前に出た分、勇者以外の四人が後ずさる。
「魔王はいるのか」
「魔王様はもういない。残念だったな」
「……!」
「今回も魔王軍の完敗のようだ。すでに魔王様も、私以外の幹部も引き揚げている。もう今回の会戦は終わったと言ってもいい。お前たちも帰ったらどうだ」
「ふざけるな。目の前に幹部の一人がいて見逃せるわけがない」
当たり前だが勇者は戦う気のようだ。
ルーカスは「そうか」とつぶやいた。
「わたしの名はカミラ。お前の名を聞こう」
勇者は剣を構えたまま、名を名乗った。
「名乗るほどでもない、と言いたいところだが。お前の反応が面白そうなので教えようか。私の名はルーカス・クノール・リンドビオルだ」
ルーカスのほうは剣を抜かず、悠然と立ったまま答えた。
「リンドビオル……まさか……」
「そうだ。私はお前が殺した将軍、アレクサンダー・リンドビオルの息子だ」
そう言うと、ルーカスは片手の手のひらを上にして、顔の高さに挙げた。
この展開、もう何がなんだかわからない。
ぼくはただ、目の前のやり取りを見ていた。
「五人いるようだが。すぐに私とお前の一対一の、正々堂々とした勝負になるだろうな。あとの四人はこれ≠ナ戦闘不能だろう」
手のひらの上には何も出ていないように見える。
これ≠ニはどういうことだ?
と一瞬思ったが……。
ヨロイを着ていても、外からの熱を感じた。
そして、ルーカスが手のひらを挙げている上……
よりも、もっと上。
上の空中。
……!?
巨大な火炎の塊が、そこにあった。
球形ではない。
燃え盛っているのでわかりづらいが、筋肉質な巨人のような形にも見える。
左右に飛び出しているように見える火の突起は……ツノ?
「い、イフリート……」
五人のうち一番右側にいた人間が、震える声でつぶやいた。
剣を構えてはいるが、ジリジリとすり足で後退している。
イフリート。
神話に出てくる火魔神だが……。
離れていて、かつフルアーマーのはずのぼくの体。
それでも、ヨロイの隙間からチリチリと焼かれるような感覚
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ