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【WEB版】マッサージ師、魔界へ - 滅びゆく魔族へほんわかモミモミ -
第二章 魔族YOEEEEE
第23話 温泉に入浴
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たら行こうかな」
「わかった。なるべく早めに帰ってくるね」



 ***



 本当だ。岩場に囲まれて泉がある。
 湯気で景色が白っぽい。
 奥がよく見えないので大きさはわからないが、結構大きいと思う。

 手を入れてみる。
 うん。ちょうどよい温度だ。ルーカス、グッジョブ。

 さてと、ヨロイを脱ごうかな。
 まず兜からっと。

「お、お前は……!」

 いきなり女性の声が飛んできた。
 不意打ちだったので、体がビクンとなった。
 鼓動が急に激しくなる。
 声の方向を向くと……泉の湯気の中に、人が!

「あっ、ご、ごめんなさい!」

 慌てて後ろを向く。
 しまった……先客がいたのか。
 まさか中にいるとは思わなかった。もっとよく確認すれば良かった。

「わざとじゃないんだ。急ぎじゃないんであとで出直すよ」

 後ろ向きのまま言い、一度離れようとした。

「あ、待って!」
「え?」
「少し、き、聞きたいことがあるんだ」

「……? いいよ。こっちは後ろ向いたままで聞くから。なに?」
「ぬ、布巻いてるから……こっち、来てもらって、大丈夫、だよ」

 いや、後ろ向きのままでいいから――
 そう言おうとしたが、何かわけありな気がしないでもない。
 言う通りにすることにした。

 恐る恐る振り返り、慎重に近づいていく。
 そして目線が高くならないように、泉のすぐそばでしゃがみこんだ。
 脱いでいた兜は横に置く。

 女性はちょうど胸のあたりまでお湯に浸かっている。
 布は胸を隠すように巻かれていた。

 ……。

 最初にそこに目線が行ったのはもちろん変な意味はない。
 が、すぐに失礼だと思って目線を上にずらした。

 さっきは慌てていてよく見ていなかったが、恐らくぼくよりも若い。
 女の子だ。
 ショートと思われる髪は裾が濡れており、肩に雫を垂らしていた。
 黒髪のように見えるが、ぼくほど真っ黒ではない。少しだけブラウンが入っているのだろう。

 女の子は、少し緊張した様子で話しかけてきた。

「ええと……お前、じゃない……き、キミは人間なんだよね?」
「そうだけど?」
「人間なのに……魔国の、兵士なの……?」

 ……?

「ん? いきなり変なこと聞くね。どこから魔国だの兵士だのが出てきたの」
「あ、ああ、いや、その……ここ、魔国の都市に割と近いし。それに、そのヨロイ……」

 ああ、そうか。
 全身漆黒パーツに、兜には二本のツノ。
 このヨロイ、デザインが中二病すぎていかにも魔国産に見えるのか。

「そういうことか。たしかにぼくは魔国の者だけど、兵士じゃなくて民間人。マッサージ師だよ」
「まっさー
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