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【WEB版】マッサージ師、魔界へ - 滅びゆく魔族へほんわかモミモミ -
第二章 魔族YOEEEEE
第18話 魔国の興廃この一戦にあり?
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宰相は「そのような提案が通るわけがなかろう」と言って続けた。
「卿は最近、怪しげな術を使う人間を飼っているようだが。何か悪影響を受けてはおるまいな?」
「……たしかに、人間の奴隷を入れて試験を致しておりますが」
参加者の何人かは、場から外れた所にいるぼくのほうをチラリと見た。
さすがにもう知っている人もいるようだ。
このヨロイの中の人が、その「人間の奴隷」であると。
「卿の父は魔国一の勇将と名高かった。その名を汚さぬうちに、その人間は処分するべきではないか」
「なんだと!?」
いきなりの女声。
宰相とルーカスが、同時に「え?」と魔王のほうを見る。
魔王は慌てた様子で口をおさえた。
「あ……いや、なんでもない。気にするな」
なんだ今のは。
しかし、おそらくこの宰相の反応がこの国では正常だと思う。
ルーカスのほうが異端なのだ。
「ええと、つまりだ。奴隷であっても近くにいれば、卿の精神に悪い影響を及ぼす可能性はあろう」
「いえ。悪影響を受けているという事実はないと考えます」
「わからぬぞ? 自分では気づかぬものだ」
「現在は魔王様も了承のもと、大切な試験をしております。少なくとも今すぐの処分はありえません」
「ふむ……。まあなんにせよ卿の態度は問題である。魔王様、このたびの戦が終わるまで、リンドビオル卿には牢に入ってもらいますが。よろしいですかな」
「あ、ああ。まあ仕方ないな。リンドビオル卿よ。今回は牢で休んでおれ」
ルーカスはつまみ出された。
ぼくは彼を追いかけるか迷ったが、一応最後までここにいることにした。
この会議が終わったら、牢のほうに面会に行くことにする。
場は仕切り直しになり、宰相が話を続けていた。
「では、将軍たちよ。作戦の総指揮を執るべき立場の軍司令長官であるが……前任者が辞任し、いまだ空席のままである。この有事に我こそはという者はいるか」
魔王は軍の最上位でもあるが、実際に細かい指揮をおこなうわけではない。
師団長の上位で実際の指揮を執るのは、軍司令長官である。
しかし空席のままとは初耳だった。
……。
しーん。
え、何これ。
「……? 誰かおらぬのか」
「はい」
一人の男が挙手をする。また場内の視線が集まる。
「おお、トレーガー卿か。卿ならば安心して――」
「いえ、私ではなく他薦でございますが。ヘスラー卿が適任であると思われます」
立候補ではなく他薦だった。
宰相は「ほう、ヘスラー卿か。ではいかがであろうか?」と振る。
「いえ、私よりもメルツァー卿のほうが適任かと思います」
ヘスラー卿と呼ばれた人物も他薦をしたようだ。
「私より
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