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【WEB版】マッサージ師、魔界へ - 滅びゆく魔族へほんわかモミモミ -
第二章 魔族YOEEEEE
第16話 ルーカスの調査
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の? 施術記録をいちいち全部見てたわけじゃないでしょ?」
「ふふ、甘いなマコトよ。私はやみくもに宣伝していたわけではない。層を選択して宣伝をしていたのだよ」
「そうだったんだ……」

 初日の患者の行列を見て「うわぁ」と思ったが、あれでも抑えてくれていたらしい。

「そして私は宣伝のほかに、通院者に対し聞き取り調査もおこなっていた」
「聞き取り調査?」

「そうだ。私が以前お前の施術を受けたときに言ったと思うが、痛みが取れたということ以外にも、気力の充実など不思議な効果があるような感じがしていた。
 それを裏付ける証拠が欲しいと思ってな」
「……」

「ふふふ。今のところなかなか面白い結果が出ているぞ」
「それは、ぼくも聞いていいの?」
「ああ、まだ一か月半だが、証拠としては十分固まりつつあるだろう。お前にも伝えよう」

 ルーカスは、これまでに聞き取り等で調査した結果を教えてくれた。

 職人や商人からの証言。
 うちの治療院に通っている誰もが、気力体力の充実を感じているということだった。
 また、職人や商人のギルドでは、一か月ごとに生産性をはかる指数を算出しているそうなのだが、どうもそれが跳ねあがっているらしい。
 先月は前年比百五十パーセントであり、とても偶然とは思えないとのことだ。

 魔法学校の生徒と魔法ギルドのメンバーからの証言。
 やはり通院者からは、気力体力の充実を感じるという感想を得られている。
 そして、ほぼ全員から「普段より魔力の回復が早くなっている気がする」というコメントがあるという。
 ほぼ全員、ということなので、恐らく間違いはないだろうとのことだ。

「そんな効果が……」
「ふっふっふ。驚いたか?」
「そりゃもう」

 うーん……。
 あん摩マッサージ指圧は基本的に東洋医学だ。
 東洋医学は、目に見えるもの以外をすべて否定することはない。

 しかしながら。ぼく自身の施術はこの世界に来て何か変わったわけではない。
 手から何か出るようになった、などいうことはない……はず。

 そうなると。おそらくだが、魔族の人たちは、マッサージに対して受け取る効果が人間とは少し違うのではないか。
 そんな気がする。

 思い当たることはある。
 施術を受けたときの絶叫ぶりは、前から少しおかしいとは思っていた。
 マッサージというものは、受けるとたしかに気持ちがいいものである。
 だが、誰もが絶叫ともなると不自然すぎる。

 気力体力が充実、そして魔力の回復が早い。
 その感想自体は、どちらも主観的なものでエビデンスとしては弱い。
 だがルーカスは、アンケート調査によって数を積み重ねることによって確信を得たようだ。

「それで。次のステップ、とい
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