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【WEB版】マッサージ師、魔界へ - 滅びゆく魔族へほんわかモミモミ -
第一章 開業
第15話 怪業で開業した日
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。
そして受付票兼カルテを、主訴や現病歴、既往歴、職業などの必要項目がすでに書かれている状態でこちらに回してもらう。
それなら時間を大幅に短縮できる。
そのあたりは当初ぼくが施術前にやろうとしていたことであるが、ここまでのカルラの感じなら苦もなくやれるだろう。
それを伝えると、ルーカスは鼻歌交じりで整理券を作成し、自ら配りに外へ出て行った。
なにやらとても楽しそうである。
ちなみに彼、もともと来月まで出勤停止処分の予定だったため、公務はあまり入っていないらしい。
しばらくは治療院の様子をこまめに見に来てくれるだとか。
***
院を開ける時間となった。
さて、一番最初の患者さんは……。
受付のカルラに案内されて、体格のよい男が施術室に入ってくる。
ん、どこかで見たような。
「俺様が一番乗りだな」
回ってきたカルテには、職業欄に内装職人と書かれている。
ああ、思い出した。内装工事のときの俺様の人だ。
早くから並んでくれたようで感謝。
「では、俺様の人、こちらのベッドのほうにどうぞ」
「あいよ」
俺様の人をベッドのあるところへ導き、まずはベッドに座るよう指示をする。
「お前、マコトって名前だったよな。約束通りちゃんと人間やめたか?」
「どうやってやめるんですか……」
確かに言われはしたが、そのような約束はしていない。
「では検査からやっていきますね」
「よろしく頼むぜ」
回された俺様さんのカルテを見る。
主訴は……「ギルドから仕事が回されず暇なので、一日中うつ伏せのままいかがわしい本を読んでいたら腰が痛くなった」。
素直な自己申告には好感が持てるが、カルテは五年間保存予定である。
カルテに基づき、検査や補足的な問診をおこない、そして施術に入っていく。
日本で一度開業を経験していたので、思っていたよりも緊張は少なかった。
もちろんまったくないというわけではないが、それよりもやっと治療院で患者に施術できるという喜びのほうが強い。
「あああああッ――」
相変わらずうるさい。
「声は控えめに」と書かれた紙を見えやすいところに貼っているが、そこまで効果はないようだ。
周囲の建物からクレームが入るようであれば、施術室の気密性を高める工事をおこなう必要が出てくるかもしれない。
そうしたらまた俺様さんにも仕事が回ることになるだろう。
初日の流れは順調だった。
整理券の効果で待合室が混乱することもなかったし、カルラの受付の手際もよかったため、ぼくは施術とベッドメイクに専念することができた。
なお、例の五人の内装職人は全員来てくれた上に、本
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