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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第五十四話 主人公たちが対面します。
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うことです。もっと言わせていただければ、そう言った自己の信念を他人に無理やり押し付けることほど有害なことはないと思います。」
「なるほど。」
ラインハルトは相手の言葉に途中から真剣な表情になって聞き入った。相手の言葉は「怠け者の自分を正当化する詭弁」というわけではなさそうだと思い始めたからである。
「良いことを聞かせていただいた。私自身『軍人とはこうあらねばならない。』という固定観念のような物を持っていたし、それをしない他人を内心苦々しく思いもしていた。だが、卿のような考え方もあるのだな。大変参考になった。」
「あ、いや、そんなに真剣に受け取らないでください。私もついつい言いすぎました。」
目の前の相手は当惑したように頭を掻いた。
「卿の言は相手の反応によっていちいち前言を撤回するがごとく軽いものなのか?」
ラインハルトの言葉はいつの間にか僚友に対するものになっていた。相手もそれを感じ取ったのだろう。遠慮はなし、という風な顔に変わって、
「いいえ、そうではありません。今のは私が本心から思っていることです。」
「では、謝罪することはなかろう。私も卿の言動を聞いて非常に参考になったと率直に言った。貴国への旅に参加することになったことを改めて陛下に感謝すべきだろうな。」
なお、自由惑星同盟を称する反徒共、というのは帝国の公文書にもしっかりと記載されている公の呼称であるのだが、そんなものを面と向かって言えば、交渉以前の問題になってしまうので、直接言わぬようにという通達が何度も何度も出ていたのであった。ラインハルトの顔にどことなく皮肉な色合いが混じっているのを目の前の相手は怪訝な顔をして見守っていた。それに気が付いたラインハルトは「すまなかった。不快な思いをさせてしまったか。」と謝った。先ほどの皮肉は自分に向けられたものではないらしいと、自由惑星同盟の将官は思った。
その時、パーティーの終焉を知らせるアナウンスが鳴り響いた。これから一同は共に自由惑星同盟の惑星イオン・ファゼガスに赴くのである。
「卿と話をして大変参考になった。願わくばまたこのような機会を持てれば幸いだ。」
「私もです。閣下のような方と知り合えたことを嬉しく思います。」
二人は期せずして同時に両手を差し出し、硬く手を握った。それは単なる社交辞令ではない。互いに率直な物言いをする相手を好ましく思っていたし、今までの自分の歩んできた人生にはいない相手と巡り合えたことをとても嬉しく思っていたのだ。そして、皮膚の下ではある本能のような物を感じ取っていた。これは自分の将来の好敵手になるのではないか、と――。
「ぜひ卿の名前を聞きたいが。」
最後にラインハルトが尋ねると、彼は頭を掻きながら「ヤン・ウェンリー准将です。」と名乗った。
「ヤン・ウェンリー・・・・。」
ラインハルトはそ
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