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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第五十四話 主人公たちが対面します。
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目指せば姉上を取り戻せるんだ?!」
「ラインハルト!!」
女性の声がラインハルトの鼓膜を貫いた。はっとラインハルトが顔を向けると、イルーナがラインハルトをにらんでいた。その瞳に怒り以外の物――悲しみ――も浮かんでいるのを見たラインハルトは目を見張り、急にうろたえた顔になった。それは幼少の頃、悪戯や悪さを自分の弟がやったことを知った時のアンネローゼの表情とそっくりだったからだ。
「どうしてそういうことを言うの・・・・!?あなたのお姉さんに対する思いを私が、私たちが知らないとでも思っているの!?痛いほどよくわかるわ。でもね、帝国においては、あなたよりもずっとずっと・・・・苦しい思いをし、その日その日を死と隣り合わせに生きている人だっているの!あなたがあの日私たちに誓った思いは、嘘だったの!?」
「―――――!!」
ラインハルトが心臓を貫かれたように目を見開く。
「お願い・・・お願いだから・・・お願いだからそういう人たちのことも、考えるのを忘れないで・・・・。」
涙は流さなかったが、その眼は悲しみで一杯だった。ラインハルトはうろたえたまま、
「あ、姉上・・・・。す、すみませんでした、イルーナ姉上・・・・そんなつもりでは・・・・。」
二度三度胸を上下させたイルーナは急に動きを止めた。そして大きなと息を吐き出した。
「ええ、わかっているわ。私こそごめんなさい、大きな声出したりして・・・。でも、あなたが時折そういうことを忘れてしまっているのではないかと不安になるの。ごめんなさいね、そんなことはないのに。」
「いや、姉上、私とて弱い人間です。こうやって叱ってくださる方がそばにいてくださるからこそ、私は私でいられるのです。」
「その言葉・・・どうか忘れないでね。」
イルーナがいきなりラインハルトの手を取った。ラインハルトもイルーナの手を取る。だがすぐに二人は狼狽し、手を離してしまったのだった。
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