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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜番外編 語り継がれなかった軌跡篇
外伝〜”六銃士”の”鉄血宰相”への宣戦布告〜エピローグ
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……………フッ、まさか釘を刺すつもりが逆に刺される事になるとはな。他に何か言ってこなかったのか?」

悔しそうな表情で説明した後頭を深く下げたクレア大尉の話を聞いて黙り込んだ後口元に笑みを浮かべて尋ねた。



「そ、それが。彼らは閣下に向けて私にこう伝えました。――――”紅き暴君”ギュランドロス・ヴァスガンからは『テメェら”如き”が俺達”六銃士”をどうにかできると思うな。身の程を知れ』、”微笑みの剣妃”ルイーネ・サーキュリーからは『私達が進む道を阻むなら全力でお相手し、叩き潰しましょう。―――――”六銃士”の名に賭けて』と。」

「………………………」

クレア大尉の説明を聞いたオズボーン宰相は呆けた様子で黙り込み

「………ククク………ハハハハハハハッ!」

「か、閣下……?」

やがて大声で笑い出し、自分達自身を挑発や侮辱しているにも関わらず笑い続けるオズボーン宰相の考えがわからないクレア大尉は戸惑った。

「いいだろう、”六銃士”!貴殿らの挑発、この”鉄血宰相”、喜んで受けて立とうぞ!まずは”通商会議”にて、せいぜいお手並みを拝見させてもらうとしようぞ!」

新たな”遊戯”の”駒”の登場にオズボーン宰相は好戦的な笑みを浮かべて笑い続けた。



「合同演習は警備隊の圧勝?本当かい、それは?」

同じ頃宮殿の一室でミュラー少佐から説明を聞いたオリヴァルト皇子は信じ難い話に目を丸くした。

「ああ。結果はクロスベル警備隊は約200名の戦闘不能者を出したことに対して、帝国軍は”全滅”。加えて被害は余りにも甚大で演習に参加した帝国兵達全員に戒厳令が出されたそうだ。」

「被害が甚大って………一体どれ程の被害が出たんだい?」

「幸いにも死傷者は出なかったが重傷者が約半数、武器は全て破壊された挙句、演習で使用した”アハツェン”も全て破壊されたとの事だ。加えてオーラフ中将も”紅き暴君”ギュランドロス・ヴァスガン司令との一騎打ちによって制圧されたそうだ。」

「………………………」

ミュラー少佐の余りにも信じ難い報告にオリヴァルト皇子は目を見開いて絶句し

「フフ、宰相殿も予想外の結果にさぞ慌てているだろうね。どうやら君はとてつもなく心強い仲間を手に入れたようだね、ヴァイス。―――――”六銃士”か。機会があれば一度会ってじっくりと話してみたいな。」

やがて静かな笑みを浮かべて窓から見える景色を見つめてかつて共に戦った親友や、まだ見ぬ”英雄”達を思い浮かべた。



後にギュランドロスとルイーネのクレア大尉――――”鉄血宰相”に向けて発した宣言は”六銃士の鉄血宰相への宣戦布告”としてゼムリア大陸の歴史に伝えられ続ける事となる………
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