第29話『新たな標的』
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相当なモノね。良いわ、離しましょう」
「ふぇ?!」
茜原さんの言葉と同時に、俺の足元の床が開く。そう、開いたのだ。
重力に従い落ちる俺。それを見て叫ぶ部長の声までは聞き取れた。
だがそれは短い時間。
俺の体は椅子ごと1階に落とされてしまう。上を見上げると、天井は既に閉まっていた。
「どういう仕掛けだよ…」
カラクリ屋敷。そんな単語が当てはまる事態に、困惑を隠せない。
しかも部長を置いてきてしまった。これも申し訳なく思う。
科学部は4人。対して部長は1人。
いくら部長が魔術を使えるといっても、茜原さんはその電気の事を知ってたし、もしかすると対策だってされてるのかもしれない。
早く手錠を外して上に行かないと。
周りを見ると、場所は倉庫とわかった。少し埃っぽいし、使い古された椅子や机が多く置かれている。
「皆を探しに行こう」
俺はそんな結論を立てた。
俺が部長側に加わった所で『4対2』。不利な状況は変わらない。
だったら、今生き残っている魔術部部員を集めて向かうしかない。
いや・・・誰がどこに居るかなんて分からないし、そもそも時間は限られている。この際、集めるのは1人が限度だろう。
後は、それまで部長が保つかどうか・・・って、答えは決まってるか。
──部長を、信じよう。
その決意と同時に、俺は突風を起こし力ずくで手錠を破壊する。
「案外いけるものなんだな」と驚きながら、俺はすぐさま倉庫を飛び出した。
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