暁 〜小説投稿サイト〜
非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第29話『新たな標的』
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すか?」

「ん?…そうね。貴方が私に1つ情報をくれたのだし、私も貴方に1つ情報を与えることにしましょう。して、内容は?」


スルスルと進む会話に戸惑いながらも、俺は質問をした。


「茜原先輩はうちの部長を…その、どうしてそんなに気にしてるんですか?」


適した表現が思い付かず、随分とストレートな言葉になってしまう。違う答えが返って来ないと良いけど…。


「・・・ああ、そういうこと。まぁ確かに、端から見れば執念深い女に見えなくはないですね。良いわ、話しましょう。簡単に言うと、私とアイツは『幼馴染み』。昔からとても面識が有るから、気にせずにはいられないし…“ライバル”って言うとわかりやすいかしら。今回の部活戦争もそう。私にとっては、部費よりもあいつと戦うことを楽しみにしてるの。ライバルとしてね」


長々とした答えが返って来たため、理解に時間を有した。が、言っていることは一貫している。


『茜原先輩は部長と戦いたがっている』


物騒だというイメージを更に掻き立てるかの様な考えだが、きっとそうだ。
しかし、またも疑問が生じた。


「でも俺を人質にした意味は有るんですか? 正々堂々と戦わないと・・・」

「勝手に2つ目の質問は反則だと思うけど・・・まぁその考えは理解できるわ。簡単なことよ、あいつが私との戦闘を避けられないようにするため。せっかくの機会なのに、戦えないのは残念だもの」


茜原さんは堂々とそう言った。
あれ、この人って思ってたより何か危ない気がする…!? 異常なまでに好戦的だし・・・。
か、考え過ぎだよな…。





「・・・さて、と。もう準備は万端。いつでも来なさいよ」


その茜原さんの声につられ、周りを見渡すと、そこにはいつの間にか3人の見慣れない人らが揃っていた。
全員が白衣を着てることからして、科学部。
しかも4人居るとなると、それは科学部が誰一人として脱落してない事を示している。ずっと隠れていたのか、はたまた──


ガラッ


急に開いた扉の音によって、俺の考えは遮断される。扉が自動ドアな訳も無ければ、風に吹かれて開いた訳でもない。
つまり、開けた張本人であろう人物が、扉の向こうには立っていた。


「面倒くせぇ状況だな、おい」


最初に放たれたのはその言葉。
その一声も、全てを飲み込んだ。


「ったく、ウチの部員に手ぇ出すんじゃねぇよ、光」

「あんたが来たのなら、もう用済みかしらね?」

「なるほどな…安心しろ。そいつを解放さえすれば、俺はお前らと戦ってやる」


部長は余裕だと言わんばかりの発言をする。
しかしその中に一瞬、安堵の表情が見られた。


「あんたの覚悟は
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