第十四話 同じ父を持ちその二
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「そうした方とはです」
「親睦を深めてですね」
「仲良くされて下さい、そして」
「その諸侯からですね」
「マイラ様ともです」
「仲を深めていくべきですね」
「私達も間に入ります」
マリー、そしてマイラの間にというのだ。
「ですから」
「二人の絆をですね」
「深めていきましょう」
是非にというのだ。
「これからは」
「では私から動きます」
是非にとだ、マリーは言った。
「そして姉様と」
「そうしていきましょう、時として退くことも大事ですが」
最後のキャスリング卿が言って来た。
「ですが今はです」
「前にですね」
「進むべきです」
そうした時だというのだ。
「ですから」
「そうですね、では」
「前に出ましょう」
動くべきだというのだ。
「あの方と仲を深めていきましょう」
「我が国の為に」
マリーは一つの決断を下した、そしてだった。
マイラに自ら面会を申し出た、だがマイラは。
その申し出を伝えられてもだ、冷たい声でこう言うだけだった。
「私はいいです」
「お会いになられない」
「そう言われますか」
「まさに」
「そうされますか」
「そうです」
こう言うのだった、伝えに来た者に。
「私は妹とは会いません」
「マリー様はどうしてもと言われていますが」
「ならば私もどうしてもです」
「お会いになられない」
「私はあの娘とは違います」
背を向けた、そのうえでの言葉だった。
「ですから」
「お会いになられませんか」
「はい」
何としてもという言葉だった。
「帰る様に言って下さい」
「では」
「書を持って来て下さい」
学問の為のそれをというのだ。
「今日もまた」
「書を読まれ」
「己を高めたいです」
「そうですか、ですが」
「マリーと会うことはですか」
「私としてはです」
こう前置きしてだ、司教はマイラに言った。
「やはりです」
「マリーと会う方がいいですか」
「少しでも話をされていき」
そしてというのだ。
「絆を深められていっては」
「絆ですか」
「はい」
そうだというのだ。
「絆を少しでもです」
「深めていき」
「太く強いものとされては」
司教もそれがマイラ、ひいてはエヴァンズ家の為になると考えていた。王家の中でのいざかい程国に悪いものを及ぼすものはないことを歴史から知っているからだ。それで自身の主である彼女に言っているのだ。
「是非」
「是非共ですか」
「そう思いますが」
「ですが私は」
顔を背ける様にしてだ、マイラは司教に答えた。
「私はあの娘とは違います」
「旧教徒であられ」
「そして側室の子です」
己のこのことを忌む様にして言った。
「ですから」
「それで、ですか
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