暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
第2章:異分子の排除
第34話「思い通りにならない(させない)」
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ない事を思い出す一夏。
 そんな一夏に、ラウラは“ドイツの冷水”という異名にふさわしい視線をぶつける。

「私は貴様を認めない。...教官の弟としてではなく、同じ人間として!貴様を認めない!!」

「っ、ぐぁっ!?」

 確固とした怒りを込めた一撃が、一夏を弾き飛ばす。

「貴様がいたから、教官は...秋十は....!っ...それだけじゃない、貴様と直接的にも間接的にも関わった者全てが...貴様のせいでっ!!」

「がぁっ!?」

 さらにラウラは加速し、追撃を一夏に喰らわす。
 雪片弐型で攻撃を防ぐが、そのうえからの衝撃に一夏はまた吹き飛ばされる。

「一夏っ!!」

「どこを見ている。」

「っ、ぐっ...!」

 一夏の援護に入ろうとする箒だが、シグナムに阻まれる。

「そこを...どけっ!」

「それはできないな。」

 箒の斬撃をシグナムは容易く受け止める。

「この太刀筋...なるほど。やはり篠ノ之流か。」

「なに...?」

「...だが、まだ未熟。」

 一人で納得するシグナムを箒は訝しむも、すぐに吹き飛ばされてそれどこじゃなくなる。

「っ...強い...!」

「これでも様々な剣の使い手と手合わせをした事があってな。...だからこそ、言わせてもらおう。貴様の力はそんなものではないはずだ。」

 そういって間合いを詰め、一閃する。
 近づいて斬る。...ただそれだけの事だが、箒にはそれが脅威に見えた。

「はぁああっ!」

「ぐ、ぁあああっ!?」

 翻弄するように何度も斬りつける。
 飽くまで直撃はさせず、少しずつラウラは一夏を追い詰める。

「どうした織斑一夏!私はまだ武装を一つしか使っていないぞ!」

「く、くそっ....!」

 必死に回避し、反撃を試みようとする一夏。
 しかし、その悉くがラウラには通じず、全て捻じ伏せられる。

 努力を積み重ね、芯の通った攻撃を繰り出す秋十と何度も戦ったラウラにとって、そんな苦し紛れのような反撃は一切通じない。

「弱い!あまりにも弱すぎるぞ織斑一夏!!」

「くっ...!」

 全力を出していないのに手玉に取られている事に、一夏は顔を顰める。

「(なんだよこれ...!ラウラってこんなに強いのかよ...!?)」

 “原作”で思っていたのと違う強さに、一夏はどんどん追い詰められる。

「(これじゃあ、ラウラを倒すどころか、VTシステムを出すことさえ...!)」

「...どうした。考え事とは余裕...だなっ!」

「がっ...!?」

 つい思考が長くなった所を、ラウラの蹴りが入る。

「立て!織斑一夏!貴様にはこの程度では生温い!」

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