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赤翔玄-剣を握りし果てに-
第0話 英雄の気質-この手に剣を強く握り締めて-
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る姿の俺を見て泣く両親の姿を見た…………それは、一体、どういう意味で泣いているのか、と……素直に聞けない情けない程に弱い俺……。

 俺の心は間違いなく、おかしくなった。

 毎日の食事は美味しくない、眠たくもならない、それらの代わりに心の空虚さが増す毎日。
 立派な大人になる為の階段を上っている内に、確実に踏み外す、本当の〇〇……。
 もう……駄目なのか……何が駄目なんだ……自分の事を、まるで、他人事の様に感じてしまう。
 俺は”自分”の為に生きる道を踏み外し、”世間体”の為に生きる道を選んだ事に嫌でも気付かされる毎日……そう……毎日……毎日……。
 俺はあの偉そうな小父さんや、あの井戸端会議に必死な小母さん達の為に諦める様な”人生”でいいのか?
 いや……違う……俺は……俺は……俺は……。

 もう駄目だ……俺は何かの限界に達し、父の剣を片手に家を飛び出した。
 俺は、俺を取り巻く全ての負の感情を撒き散らす様に“剣”を乱暴に振り回した。
 怒り、憎しみ、悲しみ、焦り、その様々な内から湧き出る感情は、一体、何処から来ているのか分からない。
 俺は翌日の朝日が昇る、その瞬間まで“蜉蝣”の様な精神を燃やし尽くす勢いで、形振り構わず、剣を振り回した。

 ――やるじゃないか、坊主。その歳にしては頑張り過ぎだ、体壊すぞ? 後、自然は大切にしろ、折角の竹林が滅茶苦茶だぞ。竹林の間から、ちらりと見える満月――もう、それだけで美味い酒が飲めるのだからな……おい、坊主、聞いているのか?

 あの時は本当に笑った。
 あの有名な“江東の虎”が少数で在ったけど護衛の兵士を連れ、近所の竹林で暴れていた“俺”を捕縛しに来たんだから…………もう、色んな意味で心がスッキリして、ただ、笑うしか無かった。
 しかもさ、褒めてくれたんだ…………”世間体”を完全に無視した、誰から見ても”馬鹿丸出し”の大騒ぎを一人起こしておいて…………笑う以外に何があると言うのさ。でも……本当に笑うしか無かったのは疲れ果てて、そのまま、竹林で気を失った後、目覚めたら俺は“江東の虎”の私兵の一人になっていた事だ。
 もう、好きにしてくれ…………俺は“人生”とは何なのか、本当に意味が分からなくなった。
 きっと、“人生”って言葉にあまり意味なんてないと俺は思った、考えるだけ無駄だって……。
 だってさ、”世間体”を気にして生きる道を選んだ奴が、”世間体”を無視して、近所の竹林で”馬鹿丸出し”で大暴れして気を失えば……次の瞬間には、憧れの“江東の虎”の私兵になれました、だなんて間抜けも良い所だからさ。






 “江東の虎”孫文台の傍で戦う事で俺は今までにはない悩みが増えた。
 初めて人を斬り殺した時に、在り得ないぐらいに手が震えた。
 そして、「
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