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【WEB版】マッサージ師、魔界へ - 滅びゆく魔族へほんわかモミモミ -
第一章 開業
第3話 お誘い
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向きの三種類に分かれる。
そのうち、腰に最も負担がかからないのは横向きである。
たとえばギックリ腰などで「とにかく痛い!」というケースでも、横向きで寝ることは可能であることが多い。腰にはとても優しい姿勢なのだ。
今回のケースでは、横向きで十分にゆるめてから体位を変えることが良いように思えた。
さて、では施術だ。
これくらいのベッピンさんをやるときでも、おかしな気を起こすことはない。
仕事であればそのようなスイッチが入ることは絶対にない。それがマッサージ師である。
「ふふふ、マコトよ。魔国一の美女に触れることをありがたく思うがいい」
そう、このように余計なことを言う人がいなければ大丈夫だ。
深呼吸して雑念とルーカスの声を振り払う。
もちろんいきなり腰からやる手もあるのだが、ハイヒール腰であれば、太ももの前面にある大腿四頭筋や、内側にある内転筋の緊張が強くなっている。
今回はそこから始めることにした。
下になっているほうの足。その内転筋を手掌で圧迫していく。
横向きの場合、ももの内転筋は手のひらを置いて体重をかけるだけで施術可能だ。やりやすい。
「ァアア!」
四頭筋を把握して揉む。
「ハアアッ!」
腰、と。
「アアア――!」
そして仙骨――腰の下、骨盤中央にある逆三角形の骨――に手をひっかけ、滑らないように足の方向に伸ばす。
詰まりやすい腰椎四番と五番との隙間、そして腰椎五番と仙骨との隙間を伸ばすイメージだ。
「ンアアアアア――!!」
このカップルうるせえええええ!
***
翌日。
奴隷なのにベッドでぐっすり寝たぼくは、朝からさっそくルーカスに呼び出された。
また昨日の応接間だ。メイド長もいる。
「マコトよ。手を見せて欲しい」
「え? うん。いいけど?」
両手を差し出すと、ルーカスはジロジロと観察した。
そして手のひらを指でツンツン突いたりしている。
「やはり何か仕掛けがあるようには見えない。不思議だな」
「どういうこと?」
「人間である以上、お前は魔法を使えるわけではないな?」
「そりゃそうだよ。逆に、魔族は全員魔法を使えるんだ?」
「もちろんだ。“魔”族を称しているくらいだからな」
「へー。魔族の魔は悪魔の魔かと思ってた」
「ふふふ、お前はこの世界の勉強が足りないな」
ぼくは昨日来たばかりなので勉強のしようがない。その前提はルーカスの頭からは抜けているようである。
そのまま話は続く。
「まあ、もちろん使える魔法のレベルに個体差はあるぞ。特に、私のように優れている者はそのレベルも格段に高いのだ」
「ウフフ。ルーカス様の魔法は
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