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【WEB版】マッサージ師、魔界へ - 滅びゆく魔族へほんわかモミモミ -
序章 プロローグ
第0話 活躍の場を求めて
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サージ師≠セし」
「違いがおありなのですか」
「おおありだよ。日本の法律では、マッサージを業にできるのは医師を除けば『あん摩マッサージ指圧師』だけなんだ。整体院もリラク店も整骨院も、法的にはマッサージを業にすることはできないよ」
老婆は「それは不勉強で申し訳のうございます」と言って続けた。
「お店……うまくいってらっしゃらないのでございますね」
「まあ、いってないね。患者さんも全然来ないし」
「開業は難しいものでございますね」
「うん。やっぱりさ、今はそこらじゅうにリラク店や整体院があるでしょう?」
「ございますな」
「もう患者さん取られまくりでさ。こじんまり一人でやっているマッサージ治療院はきついんだよね」
「さっき『整体院やリラク店とは違う』とおっしゃられていませんでしたか。違うのに競合するのでございますか」
「んー。違うはずなんだけど。法律にちょっと穴があって」
「穴と申されますと?」
「マッサージの法的な定義がちょっとあいまいでさ。『これはマッサージではない』と主張すれば、マッサージの国家資格がなくても違反だとは言われにくいんだ。だから、やってることがマッサージ治療院とあまり変わらないリラク店や整体院が結構あるんだよね」
「なるほど、それで競合してしまうわけでございますね」
「うん」
「技術的には問題ないとお考えでございますか?」
「それは……問題ないと思うんだけどなあ」
国家資格を取るには三年制の専門学校に通うことになるが、そこでは独学や民間スクールでは学べないこともたくさん勉強する。
そして、ぼくはその専門学校を首席で卒業している。学校の授業の後も、開業している先生のところで勉強させてもらっていたし、研究会に参加していたりもした。
卒業後すぐに開業できる力がある。ぜひそうするように――いろいろな人からそう背中を押された。
恐らく技術的には問題ない……と思う。
「技術に問題がなければ、宣伝が足りないということは?」
「それがね。法律ではぼくら国家資格者は、看板やチラシに値段を書くことすらできない。どう考えても不利でしょ? 資格がない人は法律が適用されないから、そんな制限ないのに」
「ほほう、それは苦しゅうございますな」
法律では、定められたわずかな項目以外のことは広告に書いてはならない。厳密にそれを守ると、値段はおろか、施術風景のイラストすら書けないという厳しさだった。
「では競合が少ないところに移転することは?」
「いや、そんなお金あったらとっくにやってるって」
すでにお金はスッカラカンに近かった。開業資金は一部銀行から借りているが、返せる見込みもない。
「では転職をお考えには? まだ十代でしょうに」
「ひどいこと言うなあ。ぼくは
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