145部分:第十八話 炎の剣その二
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第十八話 炎の剣その二
「そうした意味では貴様等と同じだ。血は決して悪ではないのだ」
「神により認められているからか」
「そして人間に本質的に備わっているものでもある」
シュラに対しても相変わらず臆するところはない。
「闘いにおいて破壊と血を欲するものは。我等はそれに基き闘いを行うのだ」
「そうか」
「その為に我等は今アーレス様の為に闘う」
言葉の中の決意がさらに強いものになった。
「ここで貴様等を倒すのだ」
「貴様等の正義は人間の本質の一つ」
シュラはこれまでのバドの言葉を総括して述べた。
「そしてオリンポスの神々の一人であるアーレスが司っているものでもある」
「アーレス様こそこの世で最も尊い御方」
アーレスに仕える者として当然の言葉であった。
「そのアーレス様の為に。今貴様等をここで」
「話はわかった」
シュラはバドのここまでの話を聞き終えたうえで述べた。
「それではだ。闘うとするか」
「私の言うことを否定しないのか?」
「それは力によって決まるもの」
シュラは冷然なまでに落ち着いた声で言葉を返すのだった。
「それはな」
「力か」
「何者をも断ち切る力」
シュラはその力のことを口にしてみせた。
「それこそが正義の源であるものだ」
「力か」
そしてバドもまたその力という言葉に興味深そうに反応するのだった。
「面白いな。それは」
「面白いだと?」
「そうだ。力こそ正義」
バドはその不敵な笑みと共に言う。
「それはアーレス様の御考えであるからだ」
「そうした意味で俺と貴様等は同じだというのか」
「何故それで狂闘士にならないのか不思議だがな」
「知れたことだ」
今のバドの問いにはすぐに言葉を返したシュラだった。
「それは既にはっきりとしていることだ」
「はっきりとしているというのか」
「その通りだ。このシュラはアテナの聖闘士」
こう言うのであった。10
「それ以外の何者でもない」
「だから狂闘士にはならないというのか」
「如何にも。確かにこのシュラとキャンサーのデスマスク」
デスマスクの名も出すのであった。
「そしてピスケスのアフロディーテの三人は力を尊ぶ」
「では我等と同じだ」
「しかし。それは人としての正義だ」
「人としてだと!?」
これはバドにはわからない言葉であった。その証拠に今のシュラの言葉に対して眉を顰めさせ怪訝な声を出した。それこそが何よりの証拠であった。
「人としてのだ。貴様等とは違う」
「戯言を。アテナは人間を認めているというのか」
「その通りだ。アテナは人間の守護神」
シュラは言う。
「我等人と共にあられる御方。貴様等の主のように支配しようと考えてはおらん」
「馬鹿なことを言う。アーレス様は神であ
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