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立ち上がる猛牛
第五話 主砲とストッパーその三
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した。
「マニエルおらんかったらこれか!」
「スズもおらんようになってか!」
「そういしたらこれか!」
「この有様かい!」 
 今日も負けた近鉄ナインに対して叫ぶ。
「優勝するんちゃうんか!」
「また阪急に負けるんか!」
 このことは記者達も言う、しかし。
 西本はその言葉を背中で受けて去るしかなかった、その近鉄を育ててきたのは彼自身なのだから。だが。
 対する阪急にいた西本の弟子の一人とも言える加藤は違った、彼は負けて項垂れて球場を去る近鉄ナインに対して激怒している顔で叫んだ。
「何やっとんじゃ御前等!今日も不細工な試合しおって!」
 こう彼等に叫ぶのだった。
「そんなことやっとたらこっちが勝ってまうぞ!」
 こう叫ぶ、この言葉が届いたのか。
 近鉄は何とか粘ってだった、前期最終戦の大阪球場との南海との試合に勝つか引分かで優勝となった。
 だが近鉄ナインは既に疲労の極みにあった、阪急に追いつかれる中を何とか鈴木とマニエル抜きで戦ったのだ。 
 ここまでは凌げた、だが。
 エースと主砲抜きで戦った疲労はかなりだった、その彼等を見て西本は心から思った。
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