第二十三話 完全にその十三
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「私が女の子だから」
「うん、だからね」
その為にというのだ。
「デートをしてるってね、しかも女子高校生とね」
「デートじゃないですけれど」
「見る人はそうは見ないよ」
「デートと見ますか」
「そうなるからね」
だからだというのだ。
「ロリコンだと思われるかもね」
「ロリコンですか」
「それで下手をすれば通報されるかもね」
「最近そういう話が厳しいから」
「だからね」
それでというのだ。
「そうなるかもね」
「じゃあ笑っていられないんじゃ」
「いやいや、僕達の身元は証明出来るから」
それでというのだ。
「安心出来るけれどね」
「お医者さんと患者ですね」
「まあ厳密に言うと違うけれど」
それでもというのだ。
「そこはね」
「近いからですか」
「警察官の人が来てもちゃんと言えるから」
「安心出来ますか」
「可愛い女子高生と一緒にいてもね」
「可愛いって」
岡島のその言葉にはだ、優花は。
「私がですか」
「よく副所長や看護士さん達に言われてるよね」
「はい、けれど」
「僕に言われたことはだね」
「意外でした」
実際思ってもいなかったことだ、優花は。
「本当に」
「そうなんだね」
「男の人から見てもですか」
「君は可愛いよ」
「そうですか」
「だから余計に言われるね」
笑ってだ、岡島は言った。
「変なことしてるんじゃないかってね」
「けれど今の私の服は」
優花は自分の服をここでチェックした、女もののシャツとズボンだ。そして靴はシューズだ。そうしたラフな格好だ。
「普通の」
「男の子と変わらないだね」
「そうですけれど」
「身なりはそうだけれどね」
ファッションはそれでもというのだ。
「外見が女の子だから」
「それで、ですか」
「可愛いよ」
そうだというのだ。
「だから思われるかもね」
「最近よく言われますね」
「何でもないことで通報されたりするね」
「よくありますよね」
「極端だと思うけれどね」
ストーカー等は確かに問題であるが本当に何でもないことで通報する様な神経質な世相は問題だとだ、岡島も言う。
「それも」
「そうですよね」
「そこまであれこれ警戒してもね」
「何にもならないですね」
「それで本当におかしな奴がほったらかしだったりするからね」
ストーカー殺人等である、どういう訳か現代の日本社会はこうした本当の意味での狂人には甘かったりする。
「警察も何故かそちらへの対応は遅いし」
「状況を見守ったりして」
「そうした対応の遅れがね」
「手遅れといった状況をもたらしますね」
「そうなんだよね」
実際にというのだ。
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