原作1巻
やはり由比ヶ浜の依頼は失敗?する。〈前篇〉
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で、どういう了見で来たのかしら?」
「・・・えっと、平塚先生から聞いたんだけど、奉仕部って悩みを解決してくれる部なんだよね?」
「・・・どういう風に言われたのか知らないけど、少し違うわ。あくまで奉仕部は手助けをするだけ。貴方の悩みや願いは叶うかは保証しかねないわ」
「えっと、どういう風に違うのさぁ?」
「願いを叶えるのは飢えた人に魚を与えるやり方だけど、私達奉仕部は取り方を教えるのが奉仕部よ。ざっと簡単に言うなら、自立を促す部活と言えば分かるかしら?」
「へ、へぇ・・・なんか凄いね」
「念の為に言っておくけど、必ずしも由比ヶ浜さんの依頼が成功するとは限らないし、叶えられない依頼は不可能よ。あくまでも常識的な範囲内の手助けはするわ」
「えっとね・・・お礼のクッキーをあげたい人がいるんだ」
「・・・お礼?」
「うん・・・高校の入学式の時に、アタシのサブレがね・・・、サブレって言うのはワンちゃんの名前なんだけど・・・」
「前置きはいいは。さっさと用件を話してくれないかしら?」
「えっと・・・サブレが道路に飛び出した時に、運悪くリムジンが来たんだ。その時に、何ていうか・・・顔はカッコいいんだけど、目が濁った高校生が助けてくれたんだ」
雪ノ下はその発言を聞いて、少し思い詰めた表情をしていたが、すぐに話しを切り出した。
「入学式となると、一年くらいは経っているわね・・・。その人は貴方の事やワンちゃんの事は、忘れているかもしれないわよ?」
「うん、そうかもしれないけど・・・直接お礼が言えてないからさぁ・・・ちゃんと、ハッキリとお礼を言いたいんだ」
「そう。それで・・・クッキーをその男子高校生にあげるのね」
「うん、だけど・・・アタシって、その料理ってあんまりした事ないんだ。だからね、手伝ってほしいんだ」
「変な話しだけど、友達に頼めばいいじゃないのかしら? 一応、教えられない事はないけど、貴方がどれ位できるか分かりかねないわ。友達なら気軽に協力してもらえると思うけど?」
「えっと・・・その、こういうマジポイ事って、あんまり友達に言えないんだ。それに知られたくないし・・・」
由比ヶ浜は気難しそうな表情で、更に話しを続けてくれた。
「それに・・・変だよね。アタシみたいなのが手作りクッキーを作るなんて、柄にも合わないし、流行っていないもん。ごめん、雪ノ下さん。やっぱいいや」
「貴方がそう言うなら別に構わないわ。私とて、努力する気のない人に時間を割く気はないもの。ただ、そんな気持ちの人からの貰いものなんて。貰う側も貰いたくないだろうけど・・・」
「うんうん・・・やっぱり、気持ちを伝えたいもん。だから、手伝ってくれない? 雪ノ下さん」
「分か
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