原作1巻
やはり由比ヶ浜の依頼は失敗?する。〈前篇〉
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「あのー、鶴見先生っていますか?」
職員室の入ってきたのは、肩にまでかかるピンク色の緩くウェーブ掛かった髪、短めのスカート、ボタン三つほど開けたブラウスに、黒色のクロスストラップタイプキャミソールの服装をしている今時の女子高校生の由比ヶ浜結衣である。
「如何したの? 由比ヶ浜さん?」
「えっと・・・その家庭科部に、頼みごとが有るんですけど・・・」
「うーん、残念だけど、今日は家庭科部は休みなの。どういった理由なのかな?」
家庭科の鶴見留花先生は、幼い子供に質問するように尋ねられた為、緊張していた由比ヶ浜は落ち着いた表情で話した。
「えっと、クッキーを作りたいんですけど・・・」
「うーん、それは無理かな? うちの部はお菓子とかはあんまりしないの。時々ならするんだけどね・・・」
「えっと、じゃあ、その鶴見先生が教えてくれませんか? 材料とかは自分で用意するんで・・・」
「ちょっと、それは・・・無理かな。仕事が忙しくて、到底教える暇とかがないんだよね。お母さんとかに手伝ってもらった方がいいんじゃないかな?」
「ママとかは、あんまり不得意なんで・・・」
由比ヶ浜は引かずに何とか頼んでみるものの、気難しそうな表情で、鶴見先生は断っていた。
「如何しましたか? 鶴見先生」
そう尋ねたのが、平塚先生であった。
尋ねられた為、事の詳細を全て平塚先生に全て話した。
「ふむ、だったらウチの奉仕部はどうだ? 国際教養科の学年トップの雪ノ下がいる部だからな。キミの悩みも解決するさ」
「え、本当ですか! じゃあ、アタシの依頼も・・・」
「じゃあ、その部に任せますね。平塚先生。私も書類とかは片付けないといけないんで・・・」
そう言って、鶴見先生はパソコンと睨めっこしており、由比ヶ浜は教えられた場所に向かう為に職員室から出て行った。
平塚先生は「はぁ」と肩の荷を下ろしていた。
(由比ヶ浜には悪いが、雪ノ下自身の成長の為だ。利用させて貰うぞ・・・)
由比ヶ浜自身、平塚自身の目論みと雪ノ下の成長の為だけに利用されているとは見ず知らずに、奉仕部に向かった。
着いた場所は、何の変哲もない部である。プレートにも何も書かれておらず、本当にここであっているのかと言う疑問や面倒事をさっさと片付けたいだけで、此処に行かされたのでは・・・と言う考えがあったが・・・
「(取り敢えず、此処であっているよね?) あの・・・奉仕部って、此処ですか?」
ノックをして入ると「えぇ、そうよ」と黒髪の女性が答えてくれた。
「えっと、あの・・・」
「確か・・・由比ヶ浜結衣さんね?」
「え、知っているの?」
「えぇ、一応ある程度は知っているけど・・・それ
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