最悪な日に黒猫を
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っきまでの僕もこんなだったんだと思う。
「だれが、殺したの?」
目は赤く、髪は逆立ち、体から蒸気のようなものが出ている。
正直に言って怖い、恐怖を感じてしまうほどに濃密な殺気。
だけど、まだ弱い。
きっと、あの時の僕はこんなもんじゃなかった。
「まて紗凪、これはお前が背負うことじゃない。お前の綺麗な手を汚すようなことじゃない」
「黙って、私がそいつを殺しに行く」
あぁ、紗凪はお前は本当に綺麗だな。
だから、そんな表情をさせたくない。
悪に闇に染まった顔をさせたくない。
「黙るのは、貴様だ。」
「えっ?」
僕は紗凪以上の殺気を紗凪にぶつけた。
本当はこんなことしたくない。
だけど、これしかない。
僕は、父さんと母さんの子供だから紗凪を守る義務がある。
「紗凪、お前は今までいい。お前がこちらに染まる必要はない。お前には幸せで幸福である義務があるんだからーー」
紗凪は殺気を引っ込め怯えたそして驚いたような表情でこちらを見ていた。
「ーー殺すのは僕だ。お前は僕に守られろ。」
「おにいかま・・・」
そう言うと紗凪はバタッと、倒れた。
紗凪、ごめんな。こんな兄さんで・・・
「・・・おにいかま!おにいかま!」
紗凪?どうしたんだ・・・
「紗凪!?」
ガバッとかけてある毛布から起き上がる。
思い出した。昨日、あの後疲れて寝てしまったんだ。
「どうしたのおにいかま?」
紗凪・・・目が腫れている。きっと、起きてから昨日のことを思い出して泣いていたんだろう。
僕は、紗凪になんと声をかけようかと悩んでいる。
下手な慰めはまた昨日のようになってしまうかもしれない。
だったら・・・
「いや、紗凪・・・これからは、僕が紗凪を守ってやるからな」
紗凪には僕の本心を話す。
紗凪は少し驚き、そしてすぐに満面の笑みで
「ありがとう!!おねがいします!!」
と、言った。
あぁ、必ず守ってやる。たとえ、死んだとしても
父さん母さんが死んで2年の時が経った。
さすがの紗凪もおにいかまとは言わなくなった。
嬉しいような少し悲しいような。
因みに僕は、今父さんの漫画家業を継いでいる。
買い物はネット通販で済ませている。
僕はあまり気にしていないが漫画は結構売れてるらしい。
一応、僕と紗凪の戸籍はあったので学校には通っている。
成績も全国トップをキープしている。
昔、父さんに言われたのだ『男ならトップを
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