最悪な日に黒猫を
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「父さん、母さん」
状況が飲み込めない。
ザザザと、頭の中にノイズが響く、言葉が出ない涙も出ない。
今の状況は分かっている。
父さんと母さんは死んでいる。
脈を測ったわけでも呼吸を聞いた訳でもない。
でも、分かるずっと一緒に居たから、ずっとそばに居たから
『死んでいる』
「嘘だ・・・」
そんなわけない、これは現実だ。
分かってる、自分でも恐ろしいことだが今の僕はすごく、冷静だ。
僕は、親の死を前に状況を調べている。
胸からは光の矢のようなものが刺さっている。
これが、きっと致命傷だろう。
父さんたちの実力は知らないけど仮にも純潔の吸血鬼と鬼だ。
それが、こんなに恐らく一撃で倒されている。
相手はきっと前、本で読んだ最上級堕天使か最上級天使だろう。
これで、犯人は絞れた。絶対、絶対、見つけ出して・・・
「血を抜き取って《殺す》」
この日、初めて僕に『吸血鬼としての欲』と『鬼としての残忍性』が出た。
「父さん母さん、家に帰ろうか」
僕は二人の死体を背負って家に帰った。
「とうしゃん・・かあしゃん・・・ウゥ・・」
ズチャっと膝を付く
この時、やっと僕は泣けた。
僕は、父さんと母さんの墓を庭に作って家に帰った。
「ただ、いま」
僕はか細いやっと出たような声で言った。
僕が今、考えているのは父さん母さんのことをどう紗凪に伝えるかだ。
ここは、やっぱり、嘘でもなんでもいいから紗凪を安心させなくちゃ。
「おにいかま!!おそい〜!」
紗凪が顔を膨らませてブーと、する。
「ははは、ごめん紗凪」
「あれ、おとうしゃんとおかあしゃんは?」
・・・やっぱり、そこに気づくか。
いや、僕もずっと黙っていられるなんて思ってないができることなら気づかれないままいたい。
紗凪の笑顔を曇らせたくない。
「あぁ、父さんと母さんは・・・」
分かってる。きっと、これは僕の自己満足だ。
近い将来、今嘘をついたってきっと、後悔する。
紗凪も僕もだ。
そんなんだったら僕は・・・
「父さんと母さんは、もう帰って来ないよ」
全てを話す。
「え?!ど、どうして!」|
「ころ、しゃれた?」
僕は、全部話した。
きっと、これが一番いい選択肢だ。
弱い心だったらきっと精神が崩壊してしまうだろうけど、紗凪は強い。
ゾクッ???
「だれが?」
「さ、な?」
一瞬、物凄い悪寒がした。
あぁ、きっと、これが吸血鬼や鬼の殺気だ。
さ
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