誕生した日に悲しみを
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のかぁ。
少し心配になるなぁ・・・
「「マジで?」」
父さんと母さんが改めて聞く、どんだけ信じられないんだ。
「はい、MA★ZI★DE★SU」
僕も少しふざけてみた。さっきまで真面目に考えてた自分が馬鹿らしくなったのだ。
「差し詰め、父さんが鬼で母さんが吸血鬼か悪魔ってところでしょう。そして、僕と紗凪がハーフ」
僕は少し呆れた口調で話す。いや、だってそんなのとうの昔それこそ物心ついてすぐ気づきましたよ?
「な、そこまで知られてたら・・・」
「もう話すことはないわよね〜」
じゃあ、僕は寝よう。明日は朝から紗凪と遊ぶ約束してるし。
「じゃあ、僕はもう寝ますね」
「あ、あぁ、まぁ、詳しいことはまた今度話すな」
「はい、分かりました。父さん母さん、お休みなさい」
僕は扉を少し出て父さんと母さんにお辞儀をした。
「あぁ、おやすみ」
「おやすみなさ〜い」
う〜ん、詳しい話とはなんだろう?まぁ、どうでもいいか・・・
数日後、父さんや母さんの仕事、まぁ、狩りや吸血の仕方、簡単な書類処理を習った。
それから、また一年経った。
僕には最近悩みがある。それは、退屈である。
物凄く退屈なんだ。
いや、紗凪と遊んだり父さんの書類処理を手伝ったり、ちなみに書類とは言っているが正確には書類ではなく漫画である。
父さんは漫画家という仕事をしているらしい。よくわからないがその影響で僕も漫画に詳しくなっているっぽい。
「おにいかま!おにいかま!おとうしゃんとおかあしゃんおそいね!」
「ああ、そうだな。幾ら何でも遅いな。」
今日は父さん達の帰りが遅いもう家を出て丸1日は立っている。
いつも、遅くても半日以内に帰ってくるのにだ。
「嫌な予感がする・・・」
「ん?おにいかま?」
いきなり立ち上がった僕に少し怯えた感じで紗凪がこっちを向く。
「ごめん紗凪、すぐ帰ってくるから!」
「え!?おにいかま!!」
僕は家を飛び出して一度だけ父さんに教えて貰った道を走った。
「なんだか、なんだか分からないけど」
物凄く、《不安》だ!
今までこんなことはなかった。
僕の頭の中に何故か嫌なイメージばかりが出てくる。
それを振り払うように僕は走った。
走り続けてどのくらい経っただろう。
途中で雨も降ってきた。
「ハァハァ、父さん母さん!!」
要・・・
!?今、聞こえた。とてもか細く今にも消えそうな声だったけど今のは母さんの声だ。
「母さん!!」
僕は草の道をかき分けて声の聞こえた方向へ向かう。
きっとこの時、僕はもう気づいていた。
ザザッ!
草をかき分けて声のところに行くと、
ゴロゴロと、雷の音が聞こえる
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