誕生した日に悲しみを
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る。
まるでリスみたいだなと、僕はクスッと笑う。
「もう、紗凪が可愛いのはわかるけどあなたの誕生日なんだからあなたも食べなさいよ」
「そうだぞ、要、気持ちは凄くわかるがな!」
ハッハッハッと、父さんは口を大きくして笑うと紗凪も「おとうしゃんお口おおきい〜」と笑う。
「おっと、そうだ。要、夜に俺の部屋に来い。大切な話がある」
「あなた、今日、ついに話すんですね」
「あぁ」
ふむ、なんの話だろう?また、紗凪や母さんへの惚気だったらすぐ逃げ出そう。
そう思いながら僕は大好物のメロンを食べる。おいしい。
暗い廊下にコンコンと、ノックの音がする。
「父さん、要です。入ってもよろしいですか?」
ノックの正体は要だった。
そう、父さんに呼ばれたので紗凪が寝てから来たのだ。
父さんは夜に来てくれと言った。ウチでは夜というのは、紗凪が眠った今をいうのだ。
「あぁ、入ってくれ」
ギギギと、古い扉が音を上げながら開いた。
「来たか、要」
「あなた、本当に話すんですね」
父さんは椅子に座って母さんはその後ろに座っている。
珍しく二人とも真剣な顔だ。
僕も流石に少し表情が強張る。
「父さん、話とは何ですか?」
僕は恐る恐る聞いた。こんな感じで話をするのは初めてだ。
いや、バージンだ。あれ?なんで言い直したのかな?
まぁ、それくらい今の僕は緊張している。
「あぁ、お前も、もう10歳だ話しておかなければと思ってな」
「えぇ、そうね」
「実はな要、父さんと母さんはそしてお前と紗凪はーー」
父さんは少し息をつき、口を開く僕も生唾をゴクリと、飲み込む。
「人間じゃないんだ!」
「え、知ってますけど」
え?なに?まさかそんなことだったのか?
そんなのとうの昔に気づいてますよ。
「え、えぇ?知ってたのか?!」
「な、なんで?!」
父さんも母さんもかなり驚いてるけど、この人たち気づいてないのか?
「父さん母さん、気づいてないのかもしれないですが」
「「へ?父さんと母さんなんかしてたか(の)?」」
わぁ、息ぴったりですね。
「はい、父さんはお風呂に入る時ツノが出てます」
「えぇ!?ほ、本当か?」
「はい、マジです」
父さんはかなり驚いている。
いや、あんだけ立派なツノをさnいや、二本見せられたら嫌でも気付きますよ?
「あ〜な〜た〜」
母さんが顔を強張らせ少し怒っている。
いや、でも母さんあなたも
「母さんも、感動物の小説を読んでるときにコウモリの羽が丸見えでしたよ」
「ホヘッ?」
母さんが素っ頓狂な声を上げる。
いや、この二人マジで気づいてない
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