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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
140部分:第十七話 グランドキャニオンへその三
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第十七話 グランドキャニオンへその三

「その力は絶大だ」
「その力で冥界から出て来るというのですか?」
「おそらくそれはない」
 その可能性は否定するアイオロスだった。
「しかしだ。若し何らかの手段でこの世界に出て来たならば」
「我々にとって大きな脅威になります」 
 それは脅威どころではなかった。彼等にとっては。
「若し出て来るのならばそれより前に戦いを終わらせなければなりません」
「トラキアのアーレスの宮殿を攻めてか」
「今はまだその時ではありませんが」
 シャカは時も見ていた。
「いずれは」
「私もまたそう考えている」
 このことについて考えている内容は彼もシャカも同じだった。
「無論教皇もそうであるし他の黄金聖闘士達も同じだろう」
「あの宮殿を攻め落とさなければ戦いは終わりません」
 シャカはそれを実際に言葉に出してみせた。
「最後には」
「それならば彼等も同じだ」
 アイオロスは今度破鏡闘士達と自分達の立場を入れ替えて考えたうえで述べた。
「彼等もすぐに聖域を攻めればいい筈だ」
「最初にそうしたように」
 話が教皇の間でのそれと同じものになっていた。
「しかしそれをせずに彼等は今こうして各地に兵を送っています」
「そして我々を誘い込み戦いを挑んでいる」
「やはり奇妙ですね」
 またこのことについて考えて述べたシャカだった。
「彼等の今の行動は」
「この戦いには大きな謎がある」
 アイオロスはそのことを感じていた。
「彼等にとって。戦うことでだ」
「今彼等が戦っているその場で」
「それが何かはまだわからないが」
「そうですね。それに」
「それに?」
 今度はアイオロスがシャカの言葉に問い返した。
「今トラキアにいる神は争いの女神エリスだけです」
 いるのは今は彼女だけであった。
「他のアーレスに仕える神々はまだいません」
「!?そういえば」
 アイオロスもそのことに気付いた。
「アーレスには争いの女神エリスの他に腹心となる四柱の神がいたな」
「そうです。先の我等との戦いでも猛威を奮った彼等が」
 そのかれらとの戦いもまた聖域にとっては凄惨なものであった。アーレスは狂闘士達だけでなくそうした己に従う神々も使い聖域を攻めていたのである。
「その彼等もいません」
「確か彼等は」
 アイオロスは先のアーレスとの聖戦の話を思い出していた。
「アーレスと共に冥界に逃げ込んでいた」
「そうです。ですから彼等もいません」
 それが彼等がいない理由であった。先の聖戦での敗北は彼等狂闘士達にもかなりのダメージを与えておりそれはまだ完全には癒えていないのだ。
「その彼等がいないことは我々にとっては有り難いことですが」
「今は戦力的には互角か」
 アイオロスは冷
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