11話
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
確かに届いた。
***
天に昇る摩天楼の上からその光景を見下ろす人影があった。
「ーーーあぁよく知ってるさ。」
目を閉じる。真っ黒で何も見えない。見えるのは自身のまぶたの裏側だけだ。
目を開く。
「よく、知っていた」
その男のつぶやきは誰にも聞かれる事はなかった。
***
神裂の機械のような態度はそこにはもうなかった。彼女は人間だ。ちゃんと感情がある。機械のように冷徹にはなれても機械にはなれない。故に、神裂の心は溶けた。
「うるっせぇんだよド素人が!!!」
刀が触れた先から爆発する。それを上条は死に物狂いで回避する。
「私がどんな気持ちであの子の記憶を奪ってきたかっ!!!ステイルがどんな気持ちであなたたちを見ていたか!!!わかりますか!!」
「インデックスは返してもらいます。」
そこには感情とは裏腹の冷徹な顔があった。譲れない意思があった。
(やっぱり強ぇ!!全然歯がたたねぇ!!!だけど)
だが、上条当麻にも譲れない意地がある。ここでは絶対に折れるわけにはいかない。その感情はひどく独善的だ。だけど、それでもーーーー
「テメェは!!!力があるから仕方なく人を守ってんのか!!!そうじゃねぇだろ!!」
上条当麻は想いをぶつけるのだ。この拳に乗せて。
「守りたいものがあるから力を手に入れたんだろうが!!!!!」
だけど、もうそんな力は残っていない。残ってる力も、せいぜい神崎の脚をつかむ程度だ。
「あんたは俺と違って力があるじゃねぇか!!!そんな力があればっっ誰だって!!!何だって守れるのに!!!」
上条当麻の悲痛な叫びが、想いが、神裂の心につきささる。
「あんたはなんのために力をつけた?その手で誰を守りたかったんだ?」
そして、その痛みをごまかすかのように、上条当麻に刀を振るうーーーーー
「おい。ストップだ止まれ」
その前に、目の腐った男が現れた。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 ~小説投稿サイト~
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ