―決戦前夜―
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モンスターの種族を炎族に変更する!」
――ならば、どうするか。シンクロ召喚以外の召喚法に決まっている。
「俺は《融合》を発動!」
「――融合!?」
今まで《融合》と言えば、借り物の《サイバー・ブレイダー》とほぼ専用融合を持つ《波動竜騎士 ドラゴエクィテス》以外を使って来なかったため、明日香から隠しきれない驚愕の言葉が響き渡った。
「集いし鉄に熱を込め、いつしか奔流となりて放たれよ! 融合召喚! 《起爆獣ヴァルカノン》!」
融合召喚されたのは機械化された獣であり、その動力源は炎であると言われても疑わない、火力を持ってフィールドに君臨した。その融合素材は炎族と機械族モンスターという異色の組み合わせであり、機械族はともかく炎族モンスターは【機械戦士】デッキには投入されていない。ただしその融合召喚を可能とするのが、自身と音響戦士の種族を自由に変更出来る《音響戦士ピアーノ》であり、その効果は。
「《起爆獣ヴァルカノン》が融合召喚に成功した時、このモンスターと相手モンスターを破壊し、破壊した相手モンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える!」
「何ですって!」
起爆獣という名の通りに。明日香のフィールドにいるレディ・ジャスティスを巻き添えに、《起爆獣ヴァルカノン》は破壊されていく。相手モンスターの攻撃力分のダメージを与える、という追加効果を持つものの、レディ・ジャスティスの攻撃力は僅か500。大したダメージにはなりはしない。
明日香LP2000→1500
「《スターダスト・チャージ・ウォリアー》を攻撃表示に変更し、バトル!」
要するに、明日香のフィールドががら空きとなった、という事実が重要なのだから。
「《スターダスト・チャージ・ウォリアー》で明日香にダイレクトアタック! シューティング・クラッシャー!」
「きゃぁぁぁぁ!」
明日香LP1500→0
「私の負け、ね……これなら明日も、心配ないみたいね」
長いようで短いターンのデュエルが決着し、明日香は悔しがりながらもこちらを激励するように言い放ってくれる。
「明日香こそ。レディ・ジャスティス、活かしてきてるな」
「それはどうも。約束通り、遊矢の夢のことは、ダークネスを倒してからの楽しみにしておいてあげるわ」
「……ああ」
すっかり忘れていたが、そういえばこちらの夢がどうのこうの、というのが最初の話題だった。いざ聞かれた時は気恥ずかしかったが、今なら特に話すことに抵抗はない――と思っていると、どこからかエンジン音が響いてきた。
「十代!」
その聞こえてきたエンジン音の行き先は、アカデミアのモーターボートに乗った十代だった。十代はこちらに気づいたのか、モーターボートを灯
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