138部分:第十七話 グランドキャニオンへその一
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第十七話 グランドキャニオンへその一
グランドキャニオンへ
「そうか、今のところはその様子か」
「はい」
教皇の間において。シャカがシオンの前に片膝をついて報告していた。その周りには他の黄金聖闘士達もそれぞれ片膝をついて控えている。
「車でグランドキャニオンまで向かっています」
「狂闘士達は決戦の場にそこを選んだのだな」
「その通りです」
またシャカは答える。
「そこにシュラ達を誘い込むつもりです」
「グランドキャニオン」
シオンはその場所に注目したのだった。
「そこか」
「何かありますか?」
「グランドキャニオンに何かが」
「いや」
黄金聖闘士達への返答は今一つ要領を得ないものであった。
「別に。それはないが」
「ありませんか」
「前の戦場はシュツットバルトだった」
「ええ。木が邪魔でしたね」
デスマスクがここで顔を上げてシオンに述べてきた。
「まあそれでもあの蝿野郎以外は全員ぶっ潰してやりましたよ」
「それはいい」
そのこと自体はいいというのだった。
「だが」
「だが?」
「森の次は荒野」
このことについても考える。
「これに関連はあるのか」
「それはどうでしょうか」
今度はムウがシオンに対して言ってきた。
「私はそうした地理的条件は関係がないように思います」
「関係がない」
「はい、そうです」
こう述べるのだった。
「そのように思います。あくまで私見ですが」
「そうか」
「むしろ」
そしてさらにシオンに対して言うのだった。
「シュツットバルトでの時といい」
「うむ」
「そしてこれから行われるであろうグランドキャニオンといい」
ムウは言う。
「我等を誘い込んでいます」
「そのうえで戦いになっているな」
「はい」
ムウが言うのはこのことだった。
「これはやはり奇妙です。狂闘士は極めて好戦的だとあります」
「そうですね。それは」
ムウの言葉にアフロディーテが頷いた。
「先の戦皇アーレスとの戦いでは彼等はかなり積極的に聖域に攻撃を仕掛けてきたと文献にあります」
「そのことは間違いない」
シオンも教皇として当然ながらそのことを知っていた。
「そして最後はライブラの武器を使用した」
「その通りです」
アフロディーテはシオンの言葉に頷いた。
「それによりようやく勝利を収めることができました」
「だが今彼等はその時程積極的には仕掛けてきてはいない」
「最初だけでした」
今度述べたのはカミュだった。
「我が聖域に争いの女神エリスが兵を連れて来ただけです」
「それだけだ。やはり彼等にしては大人しい」
「アーレスがいないからでしょうか」
カミュはその根拠を彼等の主に答えを求
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