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提督がワンピースの世界に着任しました
第20話 オハラからの脱出
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い!」「了解しました」「了解!」

 一年前から習慣となっていた、月に2回のオハラ図書館での勉強会。今日も予定通りに来てみたら、心の準備も出来ずこんな出来事に巻き込まれてしまった。

 けれど、クローバー博士と学者たちには一年間という期間で色々と教えてもらった、という恩が有る。だから、彼ら学者たちを見捨てることは出来ない。
 それに、ここまで同行してきたのならば最後まで見届けたいと思う気持ちもあった。

 クローバー博士の指示に従って、全員が動き始めた。図書館に置かれている大量の本を、樹のそばに有る湖に投げ込んで、燃えないように一時避難させていく。

 辺りには、ドンという鈍重な大砲の発射音、その弾があちこちに着弾する音、木造の建物か何かがバキバキと破砕される音、そして爆発する音、更には轟々と炎が燃え上がる音、様々な音が鳴り響いていた。

 とうとう図書館から見える距離の近くにある街のあちこちでも、弾が打ち込まれ爆発が起こり、街が燃えていく様を見せつけられた。

 次々と街にある建物が壊れて、崩れて、燃えていく。既に街は人が住めるような状況では無くなっていた。
 あの場所を同じように修復するのには、何年、何十年もの歳月がかかるだろう。世界政府は情報を隠匿するために、本当に島を一つ無くしてしまう気でいるらしい。

「ひどい……」
「俺達の、街が」
「海軍めッ……、世界政府めッ……」
 街の状況を目の当たりにした、図書館の学者たちが恐怖や怒り、悲しみ、様々な感情を持って街を眺めていた。

「これ以上は、危険だ! 島から脱出しましょう」
 見れば、図書館だった樹の全体に炎が回っていて、全体が真っ赤になっていた。これ以上作業を続ければ、建物の近くにいるだけで炎の熱で身体を火傷してしまったり、建物の中ならば呼吸で肺を焼いてしまう。

 そう判断した俺は、皆の作業の手を止めるように言う。だが、クローバー博士達は作業を止めようとしなかった。

「それは無理だ、提督殿。我々には島から脱出する船が無い。提督殿と艦娘の皆、今まで手伝ってくれて、ありがとう。我々は最期まで本を守るために、図書館に残る。君たちは、この島に来た時に乗ってきた船が有るんだろう? 手伝いはもう良いから、早く逃げるんだ」

 もしかしたら、彼らには島から逃げる方法が有るかもしれないと考えていたけれど、用意はしていなかったらしい。そして、ココで本を守って死んでいく、そう覚悟までしていたようだった。

 だが、彼らのような優秀な人間達が何もせずに命を散らすなんてもったいない、と思ってしまった。だから、助ける。

「この人数ぐらいなら、島から逃げ出せる船があります」
「ほ、本当か?」
「えぇ、艦娘達は以前に説明した通り、人型から通常の艦の形態にな
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