137部分:第十六話 西部にてその七
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だ」
その通りであった。
「とにかく全員料理を作る」
「そうですか。そうした趣味がおありなのですね」
「わかりました」
とりあえずここまで聞いて頷く彼等であった。
「では今日はですね」
「うむ」
シュラはあらためてトレミーの言葉に応える。もうその二枚目のステーキは殆ど食べてしまっている。
「これを食べ終えたらそれで休憩にしますが」
「わかった」
シュラは静かに彼の言葉に頷いた。今はデザートのアイスクリームを食べている。そのアイスもまたかなり大きなものである。
「ではこれでな。今日は休むとしよう」
「はい、そういうことで」
応えて頷くトレミーであった。
「また明日です」
「今我々はメンフィスにいます」
今度はアステリオンがシュラに述べてきた。
「テネシーの西端です」
「まだグランドキャニオンには遠いか」
「はい、グランドキャニオンはアリゾナにあります」
既にアメリカの地図は彼の頭の中に入っていた。そのうえで述べている言葉だ。
「そこまではまだかなりです」
「暫くはこうして車での旅が続くな」
「ですね」
「それは確かに」
このことには誰もが頷いた。
「何かと疲れることもあるでしょうがやはり」
「そうなるでしょう」
「たまにはいいものだ」
周りの者達は申し訳なさそうだがシュラはこう言うのだった。
「こうして様々な土地を見ていくのもな」
「いいものですか?」
「そうだ。いいとは思わないか」
シュラはまたトレミーやアステリオン達に対して述べる。
「旅というものを楽しむことが」
「それでは。その様にですね」
「グランドキャニオンまで」
「また狂闘士達が来るかも知れない」
その危惧は抱いていた。
「しかしその都度倒していく。そうしてグランドキャニオンまで向かうぞ」
「わかりました」
「それでは」
彼等はシュラの言葉に頷き今は旅に向かうのだった。そうして今は夕食を楽しむのだった。その途方もない量のアメリカの食事を。
第十六話 完
2009・3・5
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