第十三話 旅立ちその十二
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「今、だが」
「幕はまた開くもの」
「だからですね」
「次の舞台に向けてですね」
「我々も動く」
「そうしていきますね」
「そうだ」
まさにというのだ。
「我々はな」
「はい、しかしです」
司教が太子に言った、ここで。
「やはりこの場にマイラ様がおられなかったことは」
「妃にとってだな」
「よくありませんでしたが」
「そうだな、しかしだ」
「それでもですか」
「どうとでもなる」
こう司教に言った。
「王のあの反応を見ればな」
「取り返せますか」
「充分にな」
これを失点としてもというのだ。
「何とでもなる、司教もそう思っていないか」
「はい」
実は司教もでだ、こう答えた。
「それはです」
「そうだな、王も来るとは思っておられない」
「想定していることなので」
「もうそれをあまりどうとは思わない」
「マイラ様がどういった方かご存知なので」
「最初からな、だからだ」
「このことはどうとでもなりますか」
「むしろだ」
「問題は、ですね」
「足場を固めることだ」
マイラのそれをというのだ。
「ここはな」
「今以上に」
「そうだ、かなり堅固になったとはいえ」
その基盤がである。
「まだまだ不安が残る」
「磐石のものとする為には」
「まだだ」
「今以上にですか」
「基盤を固める必要がある」
「それ故に」
「この旧教の者達を味方につけていく」
これまでよりも多くのというのだ。
「そしてな」
「磐石のものとし」
「妃をだ、いいな」
「わかりました」
司教は妃に確かな言葉で応えた、そしてだった。
太子はこの日のことをよしとしてさらに動くことにした、この国の旧教の者達をさらに味方につけ帝国から助力も今よりもとしていくことにした。自身の妃であるマイラのことを考えてだ。そして考えているのは彼女のことだけではなかった。
「妃が至高の座につけばな」
「我等もですね」
「この国においてより大きな力を持ちますね」
「そしてお子が出来れば」
「余計にですね」
「そうだ、何とかして子をもうければ」
その子がというのだ。
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