第十三話 旅立ちその八
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「ではね」
「はい、それでは」
「これよりそのワインを飲み」
「そのうえで、ですね」
「誓いましょう」
「それでは」
セーラも応えた、それも微笑んで。
「これより誓いを立てましょう」
「では」
「はい、薔薇達を」
ワインと共にだ、こう話してだった。
三人は実際に赤ワインを用意してだ、そのうえでだった。
そこに中庭から詰んだ薔薇の花、赤と白そして黄色のそれの花びら達をワインの中に入れた。その特別なワインをだった。
三人で乾杯してから同時に飲んだ、その一杯を全て飲んでだった。
マリーはまずは瞑目した、それから二人に言った。
「ではこれより」
「何かあれば」
「私達三人は共に助け合いましょう」
三人で言い合う、マリーもセーラも。
ワインと薔薇の味よりも誓いの味を心に刻んだ、そのうえで。
マリーは確かな顔でだ、また二人に言った。
「あちらでもお元気で」
「マリーもね」
マリアが応えた。
「くれぐれも」
「はい、この国で」
「幸せにね」
「そうしていきます」
「是非共、それと」
「マイラ姉様ともですね」
「幸せにね」
こうマリーに言うのだった。
「あの方とも」
「必ずそうなります」
「あの方は近寄ろうとはしない方だけれど」
マリアもよく知っていることだ、このことは。
「絶対に」
「それでも」
「近寄っていって」
こちらからというのだ。
「必ず」
「そうしないとならないですね」
「私もそう思います」
セーラも言ってきた。
「あの方とは」
「そうですね」
「はい、出来るだけ。ですが」
「姉様とは」
「あの方はどうしても」
マイラの方がというのだ。
「人を避けられますので」
「そうした方ですね」
「孤独な方です」
どうしてもというのだ。
「あの方は」
「だからこそ」
「はい、どうしてもです」
「難しいですね」
「あの方とは私も」
マリアも言う。
「どうしても」
「そうですね、打ち解けられないですね」
「幼い頃から」
まさいだ、その頃からというのだ。
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