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Three Roses
第十三話 旅立ちその七

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「助け合いましょう」
「ええ、そうね」
 マリアが先にマリーのその言葉に応えた、強い顔で。
「何かあっても」
「はい、お互いに」
「全力で助け合いましょう」
「私達の誓いは薔薇に誓ったものであり」
 セーラも言う。
「その薔薇こそが」
「我がエヴァンズ家の象徴であり」
「誇りであるが故に」
「薔薇に誓いましょう」
 こう言うのだった。
「何があろうともと」
「そうね、薔薇の誓いならば」
 マリーも真剣な顔である、これまで以上に。
「絶対のものとなるわね」
「私達にとって」
「それならば」
「はい、私達三人は」
「離れ離れになろうとも共にあり」
「お互いに何かあった時は。
 マリーだけでなくマリア、セーラも続いた。
「助け合いましょう」
「命を賭けて」
「そのうえで」
「そうしましょう、薔薇に誓って」
 マリーはまた二人に言った、そのうえで。
 マリーは二人に今度はこうしたことを言ったのだった。
「特別なワインを飲みませんか」
「ワインを」
「それをですか」
「はい、特別な」
 ワインはワインでもというのだ。
「それを共に飲みませんか」
「そのワインはどういったものですか?」
 セーラは提案したマリーに対して問うた。
「特別といいますが」
「赤いワインに薔薇の花びらを入れたものです」
「薔薇をですか」
「はい、赤と白と黄色」 
 薔薇の色は三色だった。
「その薔薇達を入れたワインをです」
「私達三人がですか」
「飲みそして」
 そのうえでというのだ。
「永遠の誓いの証としませんか」
「そうね、いいわね」
 マリアはマリーのその言葉に答えた。
「それも」
「マリアもそう思いますね」
「かつてそれぞれの血を混ざ合いその血を飲んで誓いにしていたわね」
 まだ密かに行われているがマリアは既にそれは過去の古の異教の習わしだと思っている、それでこう言ったのだ。
「そうしていたわね」
「そのことを思ったことは事実ですが」
「私達はワインを飲む」
「はい、薔薇達を入れた」
 その三色のだ。
「それを飲みましょう」
「永遠の誓いの為に」
「そう思ったのです」
「それはいい考えよ」
 マリアはまた言った。
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