第八十四話 西瓜割りその八
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「そうしましょう」
「はい、それでは」
「ええ、ただクリーム西瓜は」
「何でしょうか」
「ニュージーランドにあるの?」
「私は殆ど見たことがありませんわ」
ジョーンさんは日菜子さんにこう答えた。
「赤い西瓜なら沢山ありますけれど」
「そうなのね」
「ですが日本では黄色い西瓜もですか」
「食べるのよ」
「そうなのですわね」
「じゃあ是非ね」
「クリーム西瓜もですわね」
考える顔でだ、ジョーンさんは日菜子さんに話した。
「食べてみればいいですわね」
「後悔しないから」
実際に食べてというのだ。
「楽しみにしていてね」
「そうさせて頂きますわ」
「まあそろそろ終わりね」
日菜子さんは男子の一人が豪快に外したのを見ながら微笑んで言った。
「皆一発も当たっていないし」
「まあ本当に西瓜割りは当たりませんね」
「そうよね」
「そしてその雰囲気を楽しむもの」
「それでいいのよ」
僕にも笑って話してくれた。
「最後まで当たらなくてもよし」
「わかりました」
僕は日菜子さんの言葉に笑顔で頷いた、そして結局誰も西瓜を割ることなくだった。西瓜を切って食べることになった。
そしてだ、ジョーンさんはそのクリーム西瓜を食べてにこりと笑って言った。
「美味しいですわ」
「かなりいい」
エルザさんもその西瓜を食べつつ言う。
「これなら幾らでも食べられる」
「そうですわね」
「こんな美味いものを食べている日本人は」
エルザさんは半月型に切っている西瓜を真ん中から食べつつ言う、両手に持っている動作はまさに西瓜を食べる姿勢だ。
「羨ましい」
「羨ましいですか」
「そう、ただし」
「ただ?」
「これはデザート」
「はい、そうですけれど」
「今度はマトンの後に食べたい」
大人の羊の肉の後で、というのだ。
「焼いたマトンの」
「そこでも羊ですか」
「そうしたいから」
「ううん、本当に羊お好きですね」
「美味しいしダイエットにもいい」
「凄い低カロリーなんですよね」
「しかも脂肪を燃やしてくれる」
羊のお肉はだ。
「日本人もっと食べるべき」
「よくそう言われますね」
「そう、けれど」
「けれど?」
「肥満度はオーストラリア人の方がずっと高い」
国民の人達のうちで太っている人達がいる割合はというのだ。
「残念なことに」
「というか日本人痩せ過ぎヨ」
「太っている人かなり少ないある」
ジューンさんと水蓮さんもクリーム西瓜を食べている、そのうえで話に入って来た。
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