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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
2-4 前に進むために
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だけじゃないわ。私たちは降魔だけでなく、世界中のあらゆる魔の存在と向き合い、戦わなくてはならない。
でも、今の私たち人間の力だけでは、今の花組の子達のようにどうしようもない状況に陥ることにもなる。だから…」
そういって、あやめは軍服のポケットからあるものを取り出し、ジンの手に握らせた。
「お願い、ジン君。あなたにこの世界を救って欲しいの」
その手に握られたのは、赤く照り輝くゴーグルだった。
不思議だった。握っているだけで力が溢れそうな、それでいて懐かしい感じがする。
けど…。
「わからない…僕は何を信じればいいんだ?何をすれば、いいんですか…?」
米田からは覚悟ができていないのに首を突っ込むなと釘を刺された。実際、自分はまだ自分の持つ力にどのようにして向き合えばいいのか、不安ばかりでわからなくなっている。
すると、あやめはジンの瞳をまっすぐ覗き込むように見据え、問いかけた。
「ならジン君、あなたはどうしたいの?」
「どうって…」
「私は今、過去のあなたとか、そんなの関係ない。今のあなたはどうしたのか、それを聞いているの」
それは、ジンの望みと覚悟の両方を問いただしてきたものだった。
自分の望み?
ジンの脳裏に、帝劇で目覚めてからの日々が蘇ってくる。雑用の仕事が多かったが、その分彼女たちの舞台が成功したのを見届けると、やりきった思いが強く感じ取れた。心地よくて、嬉しいという気持ちがこみ上げていた。
自分の心に従って答えを見つけたら、どんな答えが出ても、きっと後悔はしない。さくらはそう教えてくれた。
今の自分の望みは…!
「僕は、この帝劇でみんなによくしてもらいました。身寄りがなく、記憶さえもないみんなにお世話になってもらった。素敵な舞台と、それを支える楽しさも教えてもらった。
けど、今はその人たちが困っている。危機にさらされている。だから…」
もしこのまま彼女たちが殺されるのを黙ってみていれば、彼女たちの舞台を心待ちにしている帝都の人たちの笑顔が奪われることになる。さらに、彼女たちにもきっとやりたいことがまだまだたくさんある。それを果たせないまま、若い内に死なせるなんて残酷なことが、
あってたまるものか!!
「助けたい!彼女たちを守りたいです!」
ジンの目から、迷いが消え去った。
そうだ、迷うことなんてなかった。助けたかったら、そのためにできることを何でもいいから、まずはやってみればよかったのだ。
「ジン、お前…」
戦うことを決断したジンを、米田はただ見つめていた。
「すみなせん、米田さん。僕はずっと考えていました。自分でも恐怖さえ覚えるこの力とどう向き合うべきなのか…けど、やはり一つしか答えは出ませんでした」
改めてジンは、米田のほうを振り返った。
「…行かせてください。僕は、米田さん
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