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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
2-4 前に進むために
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離れるなんて…」
噂好きな性格もあるが、由里も二人が現場を離れてしまったことに動揺している。だが、風組の中で一番の年長者でもあるかすみが二人に向かって言った。
「落ち着いて二人とも。とにかく今は、私たちにできることをしましょう」
「は、はい!」
「さくら、マリア、すみれ…」
アイリスは光武が用意されていないため、戦うこともできない。ただモニターを眺めながらさくらたちの無事を祈ることしかできなかった。
廊下に出たあやめは、引っ張ってきたジンの方に振り返った。それに続いて米田も追いついてきた。
「あやめさん、お話とは…?」
ジンがあやめに尋ねると、米田が先を読んだようにあやめに言い出した。
「あやめ君、待ってくれ!もうジンは…!」
「えぇ、理解しています。今の彼が私たちの事を覚えていないことも…」
「そんなことじゃねぇんだ!もうジンはあの時十分戦った!もう休ませてやりてぇんだ…」
米田は、もはや軍人としての姿勢を保っていなかった。必死にわが子を守ろうとする、一人の親として、あやめに懇願する。
「米田さん…」
ジンは米田の姿に、困惑するばかりだった。どうも彼は、自分をなにかから庇おうとしているように見える。
そんな上官に、あやめは辛そうな顔を浮かべつつも、首を横に振った。
「今の花組の力ではあの巨大な降魔を相手にするのは不可能です。たとえ、光武の修繕が完全なものであっても変わらないでしょう。
私たちは帝国華撃団の司令と、副司令でもあります。軍人として、今の状況を最も最善な結果に導くには、自分たちの持つ手段の中で最も確実な選択をしなければならないはずです。情のために選択を誤るべきではありません」
「……」
「お気持ちは分かります、司令。あなたとも彼とも、ずっと長い付き合いですから。
ですが、私の知っている司令なら…こんなときこう仰るはずです。
『最初からしくじることを考えたら、何も始まらない』と」
その一言が、米田の胸に突き刺さり、米田は口を開くことができなくなってしまった。
「あやめさん、米田さん…」
ジンは、あやめの方に振り返る。
「あなたたちは、僕を知っていたんですね?」
「えぇ。昔からよく知っているわ。あなたはかつて、私たちと共に戦った、賭けがないのない戦友でもあった」
「ッ!」
「でも、ごめんなさい。できればここで全てを話したいけど、あなたも見た通り、あの子達は危機に陥っていて、話すどころじゃないの」
米田のように、状況に関係なく彼に、記憶をなくす前の彼のことを話しておきたいと思った。だが、長い世間話ができるほど余裕名状況では決してないのはジンも理解していた。
「あの降魔はいずれこの帝都だけじゃない。日本から海を渡って世界中にも侵攻し、多くの人たちを苦しめることになる。
それ
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