暁 〜小説投稿サイト〜
ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
2-4 前に進むために
[8/11]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
えました!!」
米田のほうを振り返って、由里が現状の花組の機体について報告する。
「あ〜あ〜!だからだめだって!ばらばらに戦っちまったら勝てる戦にも勝てなくなっちまうって!もっと陣形を大切にして…だから…あああああくそぉ!!」
突然の事態に、陣形を立てることができず、圧倒的な力を持つ敵を相手に的確なチームワークをくみ上げることができない花組は、前回よりも明らかに苦戦する羽目になってしまった。司令室モニターからそれを見ていた米田はかなり困り果てた様子だった。
「よ、米田のおじちゃん、落ち着いて〜…」
アイリスがなんとか米田をなだめようとする。
「司令、ここはやはり…」
あやめが背後から米田に、何かを言おうとすると、米田が「あぁ」と頭を抱えながら返事した。
「例の話…だな。マリアに代わる新隊長の件」
「新隊長?」
ジンはそれを聞いて首を傾げる。花組の隊長はマリアだが、彼女ではいけないというのだろうか。疑問を抱くジンに、あやめが説明する。
「ええ…確かに花組のメンバーたちは優秀な素質と高い霊力を備えているわ。でも、それだけじゃだめなの。あの子達はアイリスも含めて、個性が強い女の子同士。そうなると意見のぶつかり合いやいがみ合いが起こって、任務どころじゃなくなってしまうことが多いの。だから、前から提案していたことがあったの」
「それが、マリアさんに代わる新しい隊長ってこと…ですか?」
「ええ、私としては…新たに若い男の隊長を軍から抜擢するつもりよ」
「まさか女だらけの部隊に男を入れるなんて、ちと気が進まねぇからまだ見送っていたところなんだ。けど、こんな状態じゃ背に腹は変えられねぇな…」
今の花組のバラつきだらけの状態を見て、米田は今まであやめの、新隊長抜擢の件を流してきてしまったが、もうこうなってはあやめの案を実践してみるしかない。だがその前に、あの巨大な降魔をなんとかしなければならなかった。といっても、今の花組にはそれができるだけの力も統率力もなかった。つまり…完全にお手上げ、王手を仕掛けられてしまったも同然だった。現に、モニター上の花組はもう逆転できるような様子は欠片も見当たらなかった。
「……ジン君、ちょっと来て」
「え?あの…ちょ!?」
すると、あやめはジンの方を見て、彼の手を引き始める。
「あやめおねえちゃん、どこに行くの?」
アイリスが振り返ってあやめに尋ねるものの、あやめはその質問に答えることなく、司令室から廊下に出てしまった。
「お、おいあやめ君!待て!」
「あ、司令!」
何かを予感したのか、米田は風組の惹きとめる声を無視してあやめを追って行ってしまう。
「ど、どうしよう…このままじゃマリアさんたちが…!」
司令官とその代行である二人まで離れてしまったことに、椿が困惑してしまう。
「司令たちまでここを
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ