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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
2-4 前に進むために
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専行したことに変わりない。
デビルテレスドンが、長屋を破壊しながら暴れまわり始める。その暴れように、すみれはきっ!と表情を強張らせる。
「こんな野蛮な獣なんかに、私が敗れるなんて…」
花組の隊員として、神崎風塵流免許皆伝者として、これ以上の失態は避けておきたい。すみれはテレスドンに向かって駆け出しながら、そう思った。
すると、テレスドンが近づいてきたすみれ機に向かって、口から炎を吐き出してきた。
「なに…!」
「すみれさん、避けて!」
驚愕するマリアと、すぐにすみれに回避を促すさくら。
「これくらいで…!!」
言われるまでもない。自分も霊力を用いて炎を操ることもできるのだ。炎使いが炎に焼かれては格好がつかない。
すみれは、テレスドンの炎が自分の光武に当たる寸でのところでぐいっ!と体をひねると、彼女の光武もまた機体を左方向にひねらせ、間一髪テレスドンの炎を回避した。
見切れさえすれば、どんなに強烈な技も無意味だ。
「今度はあなたにお見舞いしてあげますわ!〈胡蝶の舞〉!!」
高く飛び上がり、四つんばいに地を張っているテレスドンの頭上に降り立つすみれ機。殺気の脇侍たちを一層した時のように、炎をまとった長刀をテレスドンの頭に突き刺した。瞬間、突き刺した箇所から火柱が立ち上った。
「ガアアアアア!!!」
頭上にて熱々の火柱が立ち上ったことで、デビルテレスドンは激しくもだえた。ぶんぶんと頭を振り回して頭の上に乗っているすみれ機を振り落とそうとする。その際に、口から火球がテレスドンの意図と関係なく放たれ、さくらたちや長屋の方に飛んできてしまう。結果、長屋周辺の一部に火災が発生してしまった。
「きゃあああ!!」
その一発がさくらの近くの地面で直撃、暴発したことで、さくらの光武がひっくり返ってしまう。
「く!」
このままではすみれが危険と感じたマリアは、前に出て銃口をテレスドンに向ける。
「鳴り響け…白夜の鐘…」
そう呟くと、彼女の光武の周囲に、冷たい真冬のような風がふぶき始める。それが彼女の銃口に集まっていき、一つの弾丸となって放たれた。
「〈Снегурочка(スネグーラチカ)〉!!」
銃口から放たれた氷の礫が、女神の形を成してテレスドンの顔に直撃した。その一発が、テレスドンの顔に氷の膜を作り出して固まっていくが、その際にテレスドンの頭の上に乗っていた
「ち、ちょっとマリアさん!私まで凍らせるおつもり!?冷え性は女の敵でしてよ!?」
「す、すまない…」
焦り過ぎて、かえってすみれを巻き込みかけてしまった。すみれに諫言すべきだったはずの自分が、逆に指摘を受けてしまうとは。自分の隊長としての未熟さを痛感せざるを得なかった。



「さくら機、敵の火球でダメージ!さらにすみれ機もマリア機の攻撃の余波で、破損箇所が増
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