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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
2-4 前に進むために
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、頭上に振り上げた長刀を、もう一機の脇侍に向けて振りかざし、頭から縦方向に真っ二つに切り伏せた。
「ふふん、修理が間に合わなかったといいますが…この程度なら問題ありませんわね」
「さすがすみれさんですね」
余裕をこいて、光武の中で髪を靡かせるすみれ。そんな彼女をさくらは素直に讃えるが、まだもう一機残っていた脇侍が現れ、二人に向けて…今度は銃を向けてきた。背後をうまく突く一撃をいつでも与えられる。脇侍が二人を打ち抜こうとしたときに、ようやくすみれとさくらの二人は背後を振り返る。しまった!背後を取られたか!そう思ったときだった。
バン!
一発の弾丸の音が鳴り響き、二人を背後からうとうとした脇侍は腹を撃ちぬかれ機能を停止した。
「二人とも、背中ががら空きよ。背後にも注意して」
マリアからの鋭い指摘に、さくらとすみれはう…と息を詰まらせた。


「あの太刀筋は…」
『叉丹』を呼ばれた男は、さくらの光武の太刀筋を見て、奇妙な興味を惹かれた。始めてみるはずのあの剣さばきに、どこか見覚えがあった。
だが、すかさず長刀を持ったすみれの光武が続いて、もう一機の脇侍を立て一直線に切り伏せ、マリア機のその後方から脇侍を撃ち抜いた。
「あいつら?帝国華撃団ってのは」
刹那が叉丹に尋ねると、叉丹は頷いた。
「我らの、あの方の野望を阻む邪魔者共だ。早い内に排除するに越したことはない」
「じゃあ、僕に奴らの相手をさせてくれるかい?」
自分の赤く染められた長いつめを、ペロリと舐める刹那。すぐにでもさくらたちを苦しめたがっているのが伺える。だが、叉丹はそれを許さなかった。
「だめだ。まだお前の手を煩わせる機会ではない。お前の『魔装機兵』の改良もまだ済ませておらぬからな」
「ちぇ、つまんないな。じゃあ僕、先に帰るよ。もうあの方からの仕事は終わったし」
「俺はもうしばらく奴らの動向を探る」
「わかった。あんたもさっさと帰ってくるんだね」
刹那は適当に言うと、街の闇の中にヒュウ…と風のように姿を消していった。
彼が立ち去ったのを見ると、叉丹は再び脇侍と交戦する
「この雑魚共が生きているとすれば、『奴』もおそらく生きているだろう。ならば…」
叉丹は、前回と同じように、両手で印を結ぶ。すると、彼の足元に奇怪な光を放つ魔法陣のような円陣が形成される。
「こいつらを餌に、奴をおびき寄せて今度こそ殺さねば」
もう少し駒を増やしてぶつけてみようか。叉丹が円陣を通して、大地に邪悪な思念を送りつける。すると、地面の中からぬぅぅ…と、何体もの脇侍たちがホラー映画のゾンビのように這い出てきた。


「今のところは問題は無さそうだな」
司令室の大型モニターから、現場の状況と花組の戦闘力を見て、米田は呟く。
さくら、すみれ、マリア。三人のそれぞれの力は脇侍な
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