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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
2-4 前に進むために
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ンナという女性のことを誇らしげに語っていたアイリスだが、最後のあたりで寂しげに呟いた。察するに、もしや行方をくらましたというのか?
「大丈夫よアイリス、きっとそのカンナって人も戻ってくるわ」
そんな寂しそうなアイリスを見かねて、さくらは元気付けようと暖かなことばっをむける。
「会ったことないのに、どうして分かるの?」
「分かるわよ。アイリスが心配するくらいなら、きっとみんなから慕われているってことだから」
「…うん!」
さくらの言葉で、アイリスも元気を出してくれたところで、あやめはマリアに言った。
「さて、少し話が長くなってしまったわね…隊長。復唱は?」
「はい。帝国華撃団・花組、出動!」
「「了解!」」
マリアの号令に答え、さくらとすみれの両隊員が敬礼し、花組はアイリスを除いて出撃した。




長屋…。
「くっくっく…やっぱりいいねぇ。人間共の恐怖に満ちた叫びと顔は…」
少年はその様子を、心から楽しんでいるらしく、下卑た笑みを積み隠さずに浮かべていた。
「刹那」
そんな彼の元に、一人の男が現れる。問屋町にデビルアロンを放った、青い装束を着た銀髪の男だった、
「あまりことを荒立てるなと言ったはずだ。予定ではまだ我らが表舞台に立つのは早かったはずだ」
銀髪の男は、自分が刹那と呼んだその少年を見下ろしながら言った。
「だって、あいつらがうるさかったんだ。ギャーギャーわめいてさ。それを恐怖の顔と叫びで塗りつぶす…どうせ殺すんだから、その前に好きにしたっていいじゃないか」
全く詫びれもなく言い切る少年…刹那だが、銀髪の男はさらに視線を鋭くする。
「…あまりつまらん理由で勝手をするなら、『あの方』に申告させてもらうぞ」
「…っち。わかったよ…『叉丹』」
あの方、という言葉に刹那は反応を示し、刹那は渋々聞き入れた。
「む…来たか」
ふと、叉丹と呼ばれた男は空を見上げて、何かを感じ取った。何かの、力の塊がいくつかここに近づいてくる。その直後だった。帝都の方角から数機の、脇侍より少し大きな影がこちらに向かってきていた。
その影は桜色の残像を残しながら、脇侍とすれ違い様に一太刀浴びせた。さくらの乗る光武だ。


「ええええええいやああああ!!」
桜色の光武に乗るさくらは、全速力で駆け抜けた。
かつて、父が降魔戦争で米田と共に命がけで守り抜いた帝都。それを荒らす非道な怪蒸気。そんな奴らを野放しにするわけにいかない。父譲りの剣術と正義感をフルに発揮しながら、彼女は光武の腕に握り締めた刀を脇侍に叩き込む。刹那がつれてきていた脇侍の一機が、その一太刀で切り倒され、機能を停止した。
その直後。すみれ機も後に続いて現れる。
「ぺーぺーの新人なのに、目立ちすぎですわよ!」
そう言って彼女の光武は、高く飛び上がって
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