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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
2-4 前に進むために
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たちが大切に思う、帝劇のみんなを守りたい」
もう迷いを振り切った彼に、米田は後でどれだけ引き止めても無駄なのだろうと思った。
「お前は、記憶をなくしても変わねぇんだな…」
顔を挙げ、さっきの辛気臭いとも取れる表情から一転して、米田は笑みを浮かべてジンに言った。
「あやめ君の言うとおりだな。なのに俺は…」
降魔戦争…あの時米田は、ある部隊を率いて降魔の群れと戦っていた。
あやめと、自分と、二人の若い男と…
今と変わらぬ姿で、ともに戦っていたジンだった。
だが、あの戦いは失ったものが多すぎた。それが彼の心に影を落とした。
それを恐れるあまり、判断を誤って花組の若い少女たちを死なせるところだった。しかもあの中に、降魔戦争で自分たちと一緒に戦っていた戦友の娘がいると言うのに…
「…勝手を承知で、帝国華撃団の司令として、お前に頼みたい。
行ってこい、ジン。花組のみんなを…俺の娘同然のあの子達を、守ってくれ」
「ジン君。詳しいことは、私の口から後で伝えるわ。そのためにも、生きて戻ってきて頂戴。そして…花組のみんなを、私を、米田さんを…信じて」
「はい!では…行って来ます!」
あやめから託された眼鏡を握り締め、ジンは駆け出した。
廊下の突き当りから姿が見えなくなったところで、あやめは米田に向けて口を開いた。
「…やはり、ジン君は変わりませんね」
「あぁ。やっぱあいつは、あの頃と同じなんだ。ずっと…」
なぁ、一馬、山崎…
帝劇の外、夜の帝都に出たジンは、あやめから託された赤い眼鏡を見つめる。
使い方は、おそらくこれをかけるだけ。
もう自分の力にいちいちビビったりなんかしない。ただ、自分が助けたいと願う人たちを守るためにこの力を振るう。
ジンは、赤い眼鏡『ウルトラアイ』を装着した。
すると、問屋町に現れた巨大降魔と対峙したあのときと同じように、自分の体から強大な力がみなぎるのを感じた。
次第にジンの姿は、ウルトラアイを装着しスパークする両目を中心に、頭から姿を変えていった。
自分のもうひとつの姿である、あの赤い巨人に…
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