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蒼き夢の果てに
第6章 流されて異界
第150話 その火を……飛び越えるのか?
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も思うが、それが出来るのなら、さっさと本体がこの世界に現われて、この世界の生きとし生ける物を蹂躙した方が早いでしょう。

 クトゥルフ神族と言う連中も、俺たち……地球出身の神や仙人たちと同じように分霊(わけみたま)、人間の身体を得て自由に行動出来るように成るのも事実。ここに大きな違いはない。
 但し、その時は奴らも俺たちと同じように、人間としての能力の限界を得る事となり、更に、もうひとつ。奴らに取っては厄介な弱点を得る事となる。
 普段……本体の方ならほぼ不死身。殺す事はおそらく不可能で、ある種の結界の内側に閉じ込めるしか対処の方法がない奴らなのだが、人間としての身体を得て現界している時に限り、人間と同じ方法で殺す事が可能となる。
 古の狂気の書物に記載されている情報からすると、この部分に関しては俺たち……龍種やその他の地球産の神族よりも、かなり脆弱な気配がある。

 何を考えているのか分からない這い寄る混沌ならば死も一興。……と考える可能性もあるが、果たして俗物として知られる全にして一、一にして全が、そんな危険な状態……自らが何者なのか分かっていないような状態で、人間界にて生活を続けるのか、と考えると流石にそれは……。

「そして、名づけざられし者……ではなく、能力としては全にして一、一にして全の能力を持った存在と、奸智に長けた這い寄る混沌が現われているのに、地球側の生命体が歴史の再度の改変を行わない。……すべて自分たちの思うがままだ、と考えて居ると仮定する方がどうかしている」

 つまり、歴史の改変。俺たちの側から見ると、本来のあるべき歴史の流れに戻された世界。ハルヒと名づけざられし者の接触が行われなかった分岐から発生する世界だとしても、再度、この世界に対してチョッカイを掛けられるだけの足場を残して置く。その程度の策謀を奴ならば行う可能性がある……と言う事。

 確かに大きな括りで言うのなら俺も一種の(仙人)。……道士と言うには、最早能力が突出し過ぎていて、その範疇に納まってはいない。ついでに、牛種から見ると明らかに邪に属す龍。オマケに、この世界の天津神からまつろわぬものの筆頭に挙げられている存在、現在の水晶宮を復活させたのも何回前か分からないぐらい前の俺の人生なので、今現在の俺が邪神扱いされたとしても不思議ではない……とは思うが。

「他の世界の長門有希の役割は分からない。しかし、この世界――」

 少し冷たいイメージを抱かせる原因の銀を掛けていない今宵の彼女は、普段よりもずっと幼く、更に、現在の姿形。すべての虚飾を取り払った素のままの彼女は、未だ少女期の域を大きく出る事もなく……。

「俺と出逢わされて終った長門有希の役割は、千の仔を孕みし森の黒山羊(シュブ=ニグラス)の顕現涼宮ハルヒが産み出した存在……
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